ライトや室内灯のつけっぱなしや久々のエンジン始動の際にバッテリーが上がってしまったり、突然のセル(エンジン始動の際のキュルキュル音を出す装置)の故障で車のエンジンをかけることができないと焦ってしまいますよね?
「急いでいるからなんとか自分で解決してエンジンを始動したい!」
朝の出勤前やドライブ先で車が動かなくなると、焦ると同時になんとか自分で解決しようと考えるのではないでしょうか。
そんな万が一のトラブルに遭遇してしまったときのために、今回は【車の押しがけ】についてご紹介します!
・そもそも【押しがけ】って何?
・現行の車でも押しがけってできるの?
・押しがけできない場合はどうすればいいの?
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押しがけの仕組み
押しがけとはキーを回したりボタンを押すことでエンジンを始動するのではなく、人が車を押すことでエンジンを始動させる方法です。
エンジンはトランスミッションやドライブシャフトを通じてタイヤとつながっています。
通常はエンジンで生まれた動力がトランスミッション→ドライブシャフトを経由してタイヤを動かしています。
押しがけはこの流れの逆で、タイヤを人力で動かすことでドライブシャフト→トランスミッション→エンジンへと動力を伝えて、エンジンを強制的に始動させます。
バッテリー上がりやセルの故障時などに応急処置として行う方法で、車の構造を利用したとても原始的な技です。
押しがけはAT車ではできない
押しがけの仕組み上、AT車(オートマチック車)は押しがけでエンジンをかけることはできません。
理由はAT車のエンジンとタイヤは厳密にはつながっていないからです。
MT車はトランスミッションでエンジンとタイヤがつながっていることで動力を伝えられますが、AT車の場合はオイルを介して動力を伝えているのでタイヤを回してもエンジンまで動力が伝わりません。
MT車でも押しがけできない車もある
さらにMT車だからといって全ての車が押しがけできるわけではありません。
最近の車はスマートキー+プッシュ式スタートボタンが主流のため、押しがけする上で必要な「キーをオンの位置に回す」ということができません。
またエンジン保護のために、バッテリーが弱ってしまうとECUに電力が流れないようになったり、そもそもクランクがある程度の回転数ないと燃料噴射や点火を行わない仕組みの車もあります。
車の押しがけをする5ステップ
押しがけの仕組みについて解説したところで、実際に押しがけをする手順を紹介していきます。
わかりやすく5つのステップにまとめました。
ステップ1:押しがけができるスペースを確保
ステップ2:キーをオンにしてギアを入れる
ステップ3:サイドブレーキを解除してクラッチを切りながら車体を押す
ステップ4:クラッチを繋いでエンジンをかける
ステップ5:クラッチを切りアクセルを踏み込んでエンジンを吹かす
順番に詳しく解説していきます。
ステップ1:押しがけができるスペースを確保
まずは押しがけを安全に行えるスペースを確保しましょう。
直線で50mくらいあり、人通りの少ないところが理想的です。
押しがけは安全面でのリスクがある方法です。
そもそも押しがけはエンジンがかかっていない状態で車を動かすことになります。
エンジンがかかっていないと、パワーステアリングが機能しないのでハンドルがとても重くなります。
さらにブレーキブースターも働かないのでブレーキが正常に効かない可能性も。
狭い場所で行うと事故を起こしかねません。
なるべく広くて人気のないところで行うようにしましょう。
ステップ2:キーをオンにしてギアを入れる
キーをオンの位置に回し、ギアを2速または3速に入れます。
これによりエンジンとタイヤがトランスミッションなどを経由してつながるので、タイヤを動かせばエンジンも動く状態となります。
ステップ3:サイドブレーキを解除してクラッチを切りながら車体を押す
サイドブレーキを解除してクラッチを切ると、車を押すと動かせる状態になります。坂道であれば勝手に動き出します。
後ろから人に車を押してもらって、時速5~10km(小走りくらいの速さ)になるまで加速します。
ステップ4クラッチを繋いでエンジンをかける
スピードが5~10kmほどになったら半クラッチを利用して、タイヤの動力を徐々にエンジンへ伝えるようにクラッチを繋ぎます。
うまくいくとエンジンがかかりますが、クラッチを繋いだままだと車は走り出すかエンストしてしまいます。
ステップ5:クラッチを切りアクセルを踏み込んでエンジンを吹かす
エンジンがかかったり、かかりそうになったら、クラッチを切ってアクセルを踏み込みましょう。
エンジンを吹かして回転数を安定させるためです。
バッテリーが弱っていると回転数が安定しずらいので、アクセルワークで高回転を維持するようにしましょう。
これで押しがけは完了です。
車の押しがけをおすすめできないケース
押しがけをおすすめできない具体的なケースは次の通りです。
・交通量や人通りが多い道路や街中
・十分な直線距離を確保できない坂道
押しがけは安全面でのリスクがあるエンジン始動の方法です。
エンジンが止まっている状態で車が動くので、パワーステアリングやブレーキブースターが機能せず、ハンドルやブレーキがいつも通りに作動しない可能性があります。
人通りや交通量の多いところでは他の車やガードレールなどにぶつかってしまったり、最悪の場合人を轢いてしまうことも考えられます。
十分な直線距離を確保できない坂道ではブレーキがうまく作動せず、壁に追突してしまうかもしれません。
押しがけをするのであれば、交通量や人通りの少ない直線が確保できる広い駐車場や、長い緩やかな坂道など安全が確保できるスペースで行うようにしましょう。
押しがけできなかった場合の対処法
・安全なスペースを確保できなかった
・押しがけをやってみたけどうまくエンジンをかけられなかった
このように押しがけではエンジンをかけられなかった場合は、次にあげる方法で対処してください。
ロードサービスを呼ぶ
自分ではどうにも対処できないときは、ロードサービスを利用する方法が考えられます。
ロードサービスといえばJAFのサービスが有名です。
でも実は自動車保険のロードサービスもあることをご存知でしょうか?
ほとんどの自動車保険に付帯しているロードサービスを利用すれば、バッテリーのジャンピング(バッテリーに電気を流してエンジンをかけること)であれば無料で行ってもらえます。
しかも自動車保険のロードサービスを利用しても、保険等級が下がることはありません。
JAFも会員であればジャンピングは無料です。
ただしJAF会員であるためには年会費の支払いが必要となるので、総合的なコスパを考えれば自動車保険のロードサービスを利用するのがよいでしょう。
ただしJAFと自動車保険どちらのロードサービスも、バッテリー交換が必要となった場合はバッテリーの本体代金は実費となるため注意してください。
ブースターケーブル(ジャンプケーブル)で始動する
もうひとつの対処法として、自前のブースターケーブルで他の車と自分の車をつないで、電気をわけてもらう方法があります。
ブースターケーブルによるジャンピングの手順は以下の通りです。
①バッテリーがあがった車と救援車のエンジンを停止させる
②バッテリーがあがった車のバッテリーのプラス端子に、赤いプラスケーブルを接続
③赤いプラスケーブルの反対側を、救援車のバッテリーのプラス端子に接続
④救援車のバッテリーのマイナス端子に、黒いマイナスケーブルを接続
⑤黒いマイナスケーブルの反対側を、バッテリーがあがった車のマイナスに接続(端子ではなくフレームなどの金属部分)
⑥救援車のエンジンをかけてエンジンを吹かす(回転数を上げる)
⑦バッテリーがあがった車のエンジンをかける
⑧エンジンがかかったら、つないだときと逆の順番でケーブルをはずす
大切なのは②~⑤のケーブルをつなぐ順番です。間違えないようにしましょう。
もうひとつの注意点は、ハイブリッド車などのモーターの力で走行する車の多くは一般的なガソリン車の救援はできないという点です。
これはガソリン車がエンジン始動の際に必要な電力を、ハイブリッド車などの補機類用バッテリーでは発電できないためです。
なのでガソリン車でバッテリーがあがってしまったら、同じガソリン車で救援してくれる車を探さなければいけないので注意しましょう。
まとめ
今回は【車の押しがけ】の仕組みや方法について解説しました。
車の押しがけの方法は5ステップ!
【ステップ①】押しがけができるスペースを確保
【ステップ②】キーをオンにしてギアを入れる
【ステップ③】サイドブレーキを解除してクラッチを切りながら車体を押す
【ステップ④】クラッチを繋いでエンジンをかける
【ステップ⑤】クラッチを切りアクセルを踏み込んでエンジンを吹かす
しっかりと安全が確保できるスペースで行うことが大切です。
ただし押しがけができる車が減ってきていて、安全面のリスクからもあまりおすすめできる方法とはいえません。
万が一の応急処置ということは覚えておきましょう。
また押しがけがうまくいかなかったり安全なスペースを確保できない場合は、ロードサービスを呼んだり他の車にお願いしてブースターケーブルでのジャンピングを行うのが確実です。
自動車保険に付帯しているロードサービスは無料でジャンピングしてくれるし、利用しても保険等級が下がることもありません。
ご自身が加入している自動車保険にロードサービスが付いているか確認しておくとよいでしょう。
ブースターケーブルで救援車に助けてもらう際には、ケーブルを端子につなぐ順番を間違えないように注意してください。
またハイブリッド車などのモーターを利用する車はガソリン車の救援はできません。
ご自身の車がハイブリッド車かガソリン車か、それにより救援できる車が限られる場合があるので気をつけましょう。