「雹害でボコボコになってしまった車の修理費用が高すぎる…」
「雹による被害って車両保険は使えるの?」
「保険利用だけして、修理ぜずにお金だけをもらえるの?」
上記のようにお考えではありませんか?
結論からいうと、雹による被害を受けた場合、車両保険を利用することが可能です。
ただし、車両保険を使う際は、
- 請求期限
- 等級のダウン
などについて、知らないと損をする可能性があります。
当記事では、車が雹害を受けた際に適用できる車両保険の詳細や、車両保険を使用する際に知っておきたいポイントなどについて解説。
記事を読むことで、お得に安心して車両保険を使えるようになるでしょう。
雹(ひょう)は「飛来物・落下物」扱いで保険が使える
雹による車の被害は、多くの保険会社が定める「物の飛来・落下による損害 ※雹(ひょう)や霰(あられ)などによる自然災害を含む」に該当するため、車両保険を適用させることが可能です。
ほぼ全ての保険会社で、一般型、エコノミー型のどちらに加入していても保険適用させることができるためご安心ください。
自分の入っている保険で、雹害による被害が保険適用かどうか不安な方は、保険証券を確認するか、保険会社に問い合わせをしてみることをおすすめします。
主な保険会社の電話番号については以下の通りです。
保険会社 | 電話番号 |
チューリッヒ | 0120-860-001 |
ソニー損保 | 0120-101-789 |
三井ダイレクト損保 | 0120-638-312 |
アクサ損害保険 | 0120-699-644 |
SBI損害保険 | 0800-2222-581 |
損保ジャパン | 0120-256-110 |
三井住友海上 | 0120-258-365 |
セゾン(おとなの自動車保険) | 0120-00-2446 |
東京海上日動 | 0120-119-110 |
あいおいニッセイ同和損保 | 0120-024-024 |
車両保険を使用することで、修理にかかる費用から免責金額(損害の一部を契約者などが自己負担すると、契約時に設定していた金額)を差し引いたお金を受け取れます。
車を修理するのであれば、基本的には保険を使用することをおすすめします。
というのも、雹害を受けた車は多くの場合、修理費用がかさみやすい傾向にあるためです。
雹が当たった部分を1箇所直すだけであれば、大した金額にはなりません。しかし多くの場合、車全体にたくさんのへこみができることとなり、小さく少ないダメージで済むということはほとんどありません。たくさんのへこみを直すことになるため、必然的に費用は高額になってしまうのです。
具体的には、被害が軽度であっても、板金塗装で3万〜5万円程度はかかります。
さらにダメージの度合いが重度となると、100万円を超えるケースもあるでしょう。
雹害を受けた車両の修理にかかる詳細な金額については、こちらの記事をご覧ください。

保険で受け取れる金額上限は「車の時価額」
車両保険で支払われる保険料の上限は、1年に1度の保険契約時に設定した車両保険金額になります。
車両保険金額というのは、車の時価相当額に設定するものです。
例えば、購入してから1年未満の新車の場合、購入時に支払った金額がそのまま設定金額となるケースが多くなります。
一方、購入から何年か経っている車であれば同一の車種・年式・型、同程度の使用状態・走行距離等の車の市場価格を参考にして支払額が決定されることになるでしょう。
そして特約を結んでいる場合をのぞいて車両保険での補償額はその車の時価額または修理費用見積もりのどちらか低い金額まで、ということになります。
また、修理の見積もり額が車両保険金額を上回ってしまった場合、その車両は「全損」という扱いになってしまうので注意しましょう。
全損には、「物理的全損」「経済的全損」という2つの種類があります。
雹害を受けた車は、主に物理的全損となるケースがほとんどです。
全損の種類 | 説明 |
物理的全損 | 物理的に修理できないほど車が損害を受けてしまうこと
プロに修理を依頼しても断られてしまうため、見積もりも出せない状態 |
経済的全損 | 修理自体は行えるものの、修理にかかる費用が車の時価額を上回ること
※車の時価額は、中古車市場における同種同等の車の値段の平均値から算出される |
全損扱いとなった車で保険を利用した場合、車の時価額が支払われます。
また、全損の車で保険を使うと、車の所有権を失うことになります。
なお受け取れる金額やシステムについては、それぞれの保険会社や特約によっても異なります。
車両保険を使用する際は、加入している保険会社に確認を取ってみるのがおすすめです。
へこみを修理しないで保険金だけ受け取ることもできる
修理費用の見積もりを提出して受け取った保険金を、修理に使用しないという行為にはなんの問題もありません。
「修理費用の見積もりを出して受け取った保険金なのだから、必ず修理に使用しなければならない」と考えている方も多いでしょう。
しかし、保険金はあくまでも「事故に遭った際に支払われるお金」でしかありません。
必ず修理に使わなければならないというルールは存在しないため、受け取った保険金の使い道は自由となります。
ただし、修理を行わない場合は工場ではなく保険会社に見積もりを依頼する必要がありますので注意が必要です。
修理せずに現金を受け取ることを決めているのであれば、最初に保険会社に被害の連絡をした時点で「修理はしない」という旨を伝えておくようにしましょう。
そのあと保険会社の方に見積もりをもらえば、見積もりに応じた金額が受け取れます。
「修理するつもりで工場で見積もりを取ったら、思いのほか高くて修理するのをやめたい…」という際には、その旨を保険会社に連絡しましょう。
その場合、保険会社と修理工場で見積もり金額の確認が行われ、最終的に保険会社によって保険金の受取額が決定されます。
また、見積もりをもらう流れについては保険会社によって異なるケースもあるため、まずは保険会社の方に相談してみましょう。
修理をせずに保険金を現金で受け取る方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてください。

へこみを直さず乗り続けることもできる
「へこみを修理しなければ安全に走行できないのでは?」と感じた方もいるでしょう。
たしかにへこみによって車の機能面に大きな問題が出てしまっている場合は、車検に通るためにも修理が必要です。
しかしどれだけ見た目がボコボコになっていても、車の機能面に問題がなければ車検は通過することが可能です。
そのため、へこみを気にせずそのまま乗り続けるという人も一定数存在します。
特に車高が高い車の場合、屋根の上にたくさんのへこみがあったとしても、普段はなかなか目に入りませんよね。
「どうせほとんど気にならないような傷ならば、直さなくてもいい」と考える人も少なくありません。
ただし、「どのようなへこみであれば機能面に問題がないのか」といったことはなかなか判別がつきにくいものです。
「このくらいであれば問題なく走れるだろう」と素人による判断で決めつけてしまうと、後々大きな事故を招く可能性もあります。
したがって修理しないという選択肢を取る場合は、修理工場の方や整備士などに相談するようにしましょう。
受け取った保険金は、どのようなことに使用しても問題ありません。
新しい車に乗るという方は、次の車の購入資金に充てるのがベストです。
車両保険を使用する際の注意点2つ
ここまで、へこみを修理せず保険金だけを受け取るという選択肢について解説してきました。
保険金で修理を行うにしても行わないにしても、車両保険を使う際にはぜひ覚えておきたい以下の2つの注意点が存在します。
①保険金の請求期限は3年
②保険を利用すると等級が下がる
それぞれのポイントについて詳しく知っておかないと後で損をするリスクがあるため、必ずチェックしておきましょう。
それぞれの詳細について、順番に見ていきます。
①保険金の請求期限は3年
保険金には、3年という請求期限が設けられています。
こちらの請求期限は法律で定められているため、どこの保険会社に加入していても同じです。
「後で申請すればいいや」と先延ばしにしていた場合、いつの間にか請求期限が過ぎてしまう可能性もゼロではありません。期限については、あらかじめしっかりと把握しておきましょう。
雹害にあった際の請求期限は、雹が降った日から3年となります。
ちなみに現在保険の期限が切れていたとしても、事故が起きた当時(雹が降った日)が保険期限となっていれば請求することが可能です。
「逆に言えば、3年以内であればいつ請求してもいいのか」と思い、期限ぎりぎりに請求しようと考える方もいるでしょう。しかしそれはおすすめできません。
というのも、事故が発生してからしばらく放置していると、正当な金額が支払われなくなるリスクがあるためです。
雹害によって大きなダメージを受け、それを放置したまま走行を続けたとします。
この際、しばらく経ってから保険金請求のためにダメージを見せると、「放置していたせいでここまでダメージが拡大したのでは?」と判断され、修理金額を満額支払ってもらえないリスクがあるのです。
確かに、傷を放置したことでダメージが拡大する可能性はゼロではありません。
しかし、仮に傷が一切拡大しておらず、被害を受けた日とまったく同じ程度のダメージしか受けていなかったとしても、上記のような疑いを持たれてしまう可能性があるのです。
また、雹によって当時できた傷について「本当に雹のせいでできた傷なのか」「最近できた傷を雹のせいにしているのではないか」とあらぬ疑いをかけられてしまうリスクもあるでしょう。
余計な誤解を生むことなく、適切な金額の保険金を受け取るためにも、できる限り速やかに請求することを強くおすすめします。
②保険を利用すると等級が下がる
車両保険を利用すると、等級が下がるというデメリットについても覚えておく必要があります。
雹によって車がボコボコになった場合、事故有係数適用期間が1年加算され、翌年1等級ダウンします。
等級がダウンすると、翌年の保険料が高くなることに。
「金銭的に得するつもりで保険を利用したら、かえって損してしまった」という結果にならないよう、等級のシステムについてもしっかりと把握しておきましょう。
とはいえ保険の適用によってどのくらい保険料が高くなるのかがわからないと、利用するかどうかの検討もできませんよね。
たとえば現在6等級で保険料が3万円の方であれば、車両保険を使うことで翌年は保険料が3万4,000円になります。
対して保険を使用しなかった場合、等級がアップし、翌年の保険料は2万5,000円となります。
保険を使用することによる保険料の増減については、ソニー損保のシミュレーションで確認可能です。あくまで一例ですがおおよその目安を確認することができます。
さらに詳しく知りたい方は、ご自身が契約している保険会社に確認してみるとよいでしょう。
もし車を乗り換える際にはぜひお得な方法で
雹による被害を受けた車は多くの場合、高額な修理費用が発生します。
そのためあまりにも費用が高すぎる場合は、新車・中古車に買い替えたり、乗っている車と同じ車種を中古で探したりするのも選択肢のひとつでしょう。
新たな車に乗り換えるのであれば、現在の車は手放してしまうことになります。
車を手放す場合、中古車として買い取ってもらう・廃車にするという2つの選択肢があります。
車が新車同様の状態であれば、中古車として買い取ってもらうのもひとつの手でしょう。
しかし雹による被害を受けた車は、多くの場合ボコボコになっており、車としての価値が下がってしまっている状態にあります。
価値のない車を中古車買取業者などに売っても、良い値段をつけてもらえないケースがほとんど。
最悪の場合、そもそも買い取りを断られてしまうという場合もあるのが事実です。
大きな雹害を受けた車や年式の古い車、走行距離の多い車などを手放す場合は、廃車にしてしまうのがおすすめ。
車を廃車にすることで、払いすぎた重量税や自動車税といった税金が戻ってくる可能性があります。
税金の還付を通して金銭的に得したい方は、ぜひ廃車にすることをご検討ください。
