「ミッションブローってなに?」
「ミッションブローになる原因は?」
「修理にはどのくらい費用がかかるの?」
上記のような疑問をお持ちではありませんか?
ミッションブローは、放置すればするほどにどんどん事態が悪化していきます。最終的にはギアが入らなくなり、走り続けることができなくなってしまうため、早急に対応しなければなりません。
当記事では、
- ミッションブローとはなにか
- ミッションブローの症状
- ミッションブローになる原因
を紹介します。
また、後半では修理にかかる費用や、なるべく修理費用を安くする方法について解説していきます。
記事を読むことでミッションブローを的確に見極められるほか、修理費用を安くできる可能性もあるでしょう。 5月中に廃車すると
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ミッションブローとは?
ミッションブローとは、トランスミッションが壊れるトラブルのこと。
トランスミッションとは、速度や負荷によってギアを切り替え、効率的に車を走らせてくれる変速機のことです。
エンジンの動力を、効率よく車が走る力に変換するための装置で、複数の歯車が組み合わさったような構造になっています。
ミッションブローは、無理なギアチェンジにより、前述した歯車の歯がかけてしまったり削れてしまうことで生じます。
かけた歯車の歯が他の部品を傷つけてしまうこともあり、その場合は破損したギアの他の部品も交換が必要になる場合があります。
発生を放置すると、スムーズに走るのが難しくなってしまいます。MT車の場合は快適に一部のギアが入らなくなるだけで済みますが、AT車の場合は走行自体が不可能になる可能性が高いでしょう。
AT車のミッションブローはMT車のミッションブローとは原因が違うためです。
MTでミッションブローが起こる3つの原因
そもそも、なぜミッションブローは発生してしまうのでしょうか。
以下の3つのようなことを行うと、ミッションブローが起こりやすくなります。
- 強引なギアチェンジ
- クラッチ板の摩耗
- 部品の経年劣化
それぞれがどういったものなのか、以下で順番に見ていきましょう。
強引なギアチェンジ
1つ目に考えられる原因は、日頃強引にギアチェンジを行っていること。
マニュアル車の場合、速度を速めたり落としたりする時にドライバー自身がギアを調整しなければなりません。
ギア調整の際に力づくでギアチェンジを行うと、トランスミッションに過度な力がかかり、ミッションブローの発生に繋がってしまうことがあります。
力づくでギアチェンジを行えば1回で絶対に壊れる、というわけではありません。しかし定期的にトランスミッションへ負荷をかけるギアチェンジを行っていれば、どんどんトランスミッションが傷ついていき、やがて破損してしまいます。
くれぐれも、ギアチェンジは丁寧に行うようにしましょう。
クラッチ板の摩耗
クラッチ板が摩耗することも、ミッションブローの発生につながってしまいます。
クラッチ板が摩耗するとトランスミッションがどんどん劣化していくため、やがてミッションブローが発生する状況へと繋がっていくでしょう。
クラッチ板の摩耗を引き起こす原因のひとつは、半クラッチ。半クラッチとは、クラッチが半分だけ繋がっている状態のことです。
クラッチペダルの上に足を乗せておくと、半クラッチになることがあります。半クラッチの状態が続くと、クラッチが滑り、すり減っていく原因に。
クラッチを極端に摩耗させないよう、クラッチペダルに足を乗せ続けるのはできる限り避けた方が良いといえるでしょう。
部品の経年劣化
3つ目に考えられる原因は、部品が経年劣化したこと。
AT車もMT車も、トランスミッションの寿命は30万 km/15年程度になります。
丁寧な操作を行えば、その分車の寿命は伸びやすくなります。とはいえ一生ものではないため、やはり乗っている期間が長引けば長引くほど、どんどん経年劣化は進んでいくもの。
乗り続けている期間が長い車であれば、いつかはトランスミッションなどのパーツが壊れ、ミッションブローのような不具合を引き起こしてしまうでしょう。
ATでのミッションブローの原因はATF
上記では、MTでミッションブローが起こる原因について解説しました。では、AT車の場合はどうなのでしょうか。
AT車でミッションブローが起きた場合は、ATFが不具合を起こしているケースがほとんど。
ATFとは、AT車に使われるミッションオイルのことです。
トランスミッションを円滑に動作させ、ギア同士の滑りを良くしたりギアを冷やしたりする役割を持っています。
ATFに原因がある場合、ATFを交換することで回復できる可能性が高いでしょう。
AT車のミッションの故障について詳しく知りたい方は、ATミッションの故障のサインは?修理費用の相場も解説をご参照ください。
ミッションブローが起こったら原則部品交換
ミッションブローが発生した場合は、基本的に部品を交換する形で対処する必要があります。
ミッションブローは、変速を行っているギアの歯車が欠けたり削れたりして噛み合わせが悪くなることで発生します。
したがって修理だけで直すというのは難しく、基本的にはパーツ自体を交換しなければならないケースが多いのです。
修理よりも交換の方が高くなりやすいため、ミッションブローを直す費用は高額になりやすい傾向にあります。
MT車におけるミッションブローの3つの症状・前兆
MT車の場合ミッションブローになっているかどうかは、以下の症状があるかをチェックすることで確認できます。
- ギアチェンジの際に異音や振動を感じる
- アクセルを踏んでも加速しない(滑り)
- クラッチペダルを床まで踏んでも、または足を離しても半クラッチ状態になる
以上の症状や前兆が見られたら、ミッションブローになっている(これからなる)可能性があるため、早めに修理・点検を行いましょう。
それぞれの詳細について、以下で解説していきます。
①ギアチェンジの際に異音や振動を感じる
ギアチェンジの際に聞きなれない音がしたり振動を感じたりする場合、ミッションブローが起こっている可能性があります。
ミッションブローの時によく聞かれる異音としては、「コツコツ」「ガリガリ」といったものが挙げられるでしょう。
さらに、ギアチェンジの際に「ガックン」と車が揺れ動くような感覚を覚えるケースもあります。
ミッションブローは、トランスミッションが壊れるトラブル。
トランスミッションはギアを切り替えてくれるパーツであるため、壊れるとギアを変速した際に異音や振動などの異常を引き起こしてしまうのです。
異音や振動が起きている状態のまま放っておくと、ミッションの中のギアが破壊され、その欠片がトランスミッション内部やエンジン等にダメージを負わせる可能性があります。
そうなれば直すのが難しくなるケースもあるため、早めに修理を実施するようにしましょう。
②アクセルを踏んでも加速しない(滑り)
2つ目に見られる症状は、アクセルを踏んだ際の「滑り」です。
滑りとは、アクセルを踏んだ時、エンジンの回転数は上がるにも関わらず車が前進しにくくなったりまったく進まなくなったりする現象のことです。
ミッションブローによってギアの歯が大きく欠けると、うまく噛み合わなくなってしまいます。するとエンジンの力がタイヤに伝わらなくなるため、加速がうまくいかなくなってしまうのです。
③クラッチペダルに違和感がある
3つ目に見られる症状として、クラッチが切れない、クラッチが滑るといった症状が挙げられます。
クラッチは、マニュアル車にのみ搭載されている部品。エンジンから受けた動力を車輪に伝達したり、シフト・ギア・車速変更の際に動力を遮断したりする役割を持っています。
クラッチが切れない、またはクラッチが滑るという状態はいわゆる半クラッチ状態と呼ばれるものです。半クラッチとは文字通りクラッチが半分だけ繋がっている状態のことです。
クラッチを切らずにギアチェンジをした場合、エンジンの回転とタイヤ側の回転の伝達がうまくいかず、エンジンは回転を低下させてエンストが起こってしまいます。そのため、スムーズなギアチェンジに、半クラッチは必要不可欠な操作となります。
しかし無意味な半クラッチ状態が長く続くと、クラッチ版がどんどん摩耗してしまい、最終的にミッションブローを起こしてしまうでしょう。
クラッチ盤の摩耗の症状として、クラッチペダルの違和感が挙げられるため注意が必要です。
AT車におけるミッションブローの2つの症状・前兆
- ギアチェンジの際に異音や振動を感じる
- 鉄が焼けたような臭いがする
以上の症状や前兆が、AT車で見られたら、ミッションブローになっている(これからなる)可能性があります。それぞれの詳細について、以下で解説していきます。
①ギアチェンジの際に異音や振動を感じる
AT車は、MT車のようにいくつものギアチェンジを自分でするわけではありませんが、例えばパーキングからドライブにシフトレバーを動かした際に聞きなれない音がしたり振動を感じたりする場合、ミッションブローが起こっている可能性があります。
エンジンから「コツコツ」「ガリガリ」といった異音が聞こえた場合気を付けたほうがよいでしょう。
AT車にもトランスミッションは搭載されています。ミッションブローが起こると通常は自動でスムーズに行われているはずのギアチェンジがうまくいかず、ギアを変速した際に異音や振動などの異常を引き起こしてしまうのです。
②鉄が焼けたような臭いがする
2つ目の症状として、鉄が焼けたような異臭が漂う、というものが挙げられます。
ミッションの中には、オイルが詰まっています。ミッションブローが発生するとミッション内部が高温になるため、中を満たすオイルが燃えて異臭や煙を発生させることがあるのです。
この状況に陥ると、鉄が焼けたような臭いがエンジンルームやシートの下から発生します。
AT車に使用されるオイルは一般的なエンジンオイルに比べて強い臭いを発する傾向にあるためです。
この状態を放置し続けると、車が故障を引き起こしたり、漏れだしたオイルに火が付いて火災が発生したりする可能性もあります。
車から嫌な臭いを感じた時には、できる限り早めに点検や修理に出すようにしましょう。
修理にかかる費用は数千円~20万円以上
ミッションブローが発生してしまった場合、修理には最低で数千円、最高で20万円以上かかることに。
修理の内容とそれによってかかる費用の相場は、以下の表のとおりです。
ATFの交換のみ | 5000円~3万円 |
オーバーホール | 20万円〜 |
ミッション載せ替え | 100万円~ |
上記の通り、発生する費用は修理内容によっても大きく異なります。
以下からは、それぞれの詳細について解説していきます。
ATFの交換のみなら数千円~3万円
比較的初期段階のミッションブローであれば、ATFを交換するだけで直せるケースもあります。
ATFの交換だけで済んだ場合、費用は5000円〜3万円程度となるでしょう。
なお長い間ATFを交換していない車については、当対処法が行えないケースもあります。というのも、長く交換していないATFは汚れが蓄積しているためです。
洗浄せず汚れたままでATFを交換した場合、溜まっていた汚れが流れた拍子に詰まってしまい、ATミッションを破壊してしまうケースも。
ATFの交換が行えるかはプロでないと判断が難しいため、オイル交換を自分で行ったりはせず、まずは整備工場などに相談してみましょう。
オーバーホールの工賃は20万円から
オーバーホールとは、大きな部品を細かく分解して洗浄・修正・交換・組み立てを実施することです。オーバーホールを行わねばならない場合、20万円以上の工賃が発生します。
オーバーホールを行えば、新品同様のレベルにまで戻すことが可能。
しかしATミッションを車から下ろす・オーバーホールを実施する・内部の部品を交換するといったさまざまな作業を行うため、最低でも20万円と高額な費用が発生してしまいます。
ミッション載せ替えは100万円の出費に
ATミッションを載せ替える、つまり新たなミッションに入れ替える場合、オーバーホールよりもさらに高額な費用が発生します。
ATミッションはとても繊細なパーツであり、精巧な作りとなっているので、製作には多くの時間や高い技術力が必要となります。そのため、どうしてもパーツ代が高くなりやすい傾向にあるのです。
100万円を超えることもあるため、載せ替える場合はある程度の覚悟をしておきましょう。
少しでも安くする方法2つ
上記の通り、ミッションブローを直す際に発生する費用は決して安くありません。
大切な愛車のためとはいえ、やはりできる限り出費を抑えたいというのが多くのドライバーにとっての本音でしょう。
依頼する場所や使用するパーツを工夫すれば、修理にかかる費用を安くできる可能性があります。
出費を抑えたい方が特に意識すべきポイントは、以下の2点です。
- ディーラーでなく整備工場に依頼する
- リビルト品を使用する
それぞれの詳細について見ていきましょう。
ディーラーでなく整備工場に依頼する
整備工場は、ディーラーより修理費用が安くなりやすい傾向にあります。
整備工場の修理費用が安くなりやすい理由は、主に2つ。
1つ目は、直せる部品については積極的に修理してくれるためです。
ディーラーの場合、調子の悪いパーツを見つけたら基本的には交換をする形で対処するケースがほとんど。
しかし整備工場の場合、故障したパーツをできる限り交換ではなく修理することで対処してくれます。
したがって、全体的な出費も抑えやすいのです。
2つ目は、社外パーツが使えるため。
ディーラーに依頼した場合、使用するパーツは純正パーツとなります。純正パーツとは、新車に取り付けられているような、メーカーで販売されているパーツのことです。
ディーラーはメーカーと契約を結んでいる正規販売店である以上、基本的に純正パーツしか使うことができません。
純正パーツは社外パーツよりも高額になりやすい傾向にあるため、おのずと全体的な費用も高くなってしまいます。
一方で整備工場の場合、メーカー以外が作成した社外パーツを使用することが可能です。社外パーツなら純正パーツより安い場合がほとんどであるため、修理費用も安く済ませられるでしょう。
ただし、「社外パーツは純正パーツと違って保証がないことも多い」という点については覚えておかねばなりません。
万が一取り付け後にトラブルがあった場合、保証のある純正パーツなら無料で修理してくれます。
しかし保証がない社外パーツだと、自分で修理費用を払わねばなりません。
リビルト品を使用する
新品ではなくリビルト品を使用することで、修理費用を抑えやすくなります。
リビルト品とは、廃車から取り出されたあとにオーバーホールを実施した中古部品のこと。オーバーホールを行えば新品同様の状態になるため、安心して使えます。
新品のような性能になるにも関わらず、新品の純正パーツよりも安く購入することが可能です。
なお、リビルト品を使用する際は1点気をつけねばならないことがあります。それは、社外パーツと同じく保証がないという点です。
リビルト品はしっかりと点検や交換が実施されている上、検査も行われています。そのため、「中古部品だから壊れやすい」ということはありません。
とはいえ絶対に壊れないと言い切ることはできないため、保証がないというリスクについてはしっかりと把握しておきましょう。
ミッションの修理費用が高すぎる!そんなときは
上記では、ミッションブローによる修理の費用を安くする方法について解説してきました。
整備工場に依頼したりリビルト品を使用したりすることで、修理費用を抑えられる可能性があります。
とはいえ修理の内容によっては100万円以上かかることもあるため、「少し安くなったくらいでは変わらない」と感じてしまった方もいるのではないでしょうか。
これからずっと乗っていく車であればまだしも、「もうすぐ買い換えるつもりでいた」「もう長いこと乗っているから、他のパーツにもガタが来ていそう」といった車の場合、より修理費用を払うことを躊躇してしまうかもしれません。
ミッションブローの修理費用を払うのが惜しいと感じた場合は、思い切って車を買い替えてしまうのも一つの手です。
現在の車を売り、新しい車に買い換えれば、ミッションブローを修理する必要もありません。
車を手放す際は、廃車買取業者に売るのがおすすめ。廃車買取業者なら、ミッションブローが起きている車でも高価買取が期待できるでしょう。
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