「自動車検査証返納証明書ってなに?」
「保険の手続きで必要だけど、いつもらったかわからない」
「なくしてしまった…再発行はできる?」
上記のような疑問や不安を持っていませんか?
自動車検査証返納証明書とは、軽自動車の廃車手続きを行った際に発行される書類で以下のようなシーンに必要です。
- 一時使用中止していた軽自動車に再度乗るとき
- 自賠責保険料の返金手続きをするとき
- 任意保険の引継ぎをするとき
また、自動車検査証返納証明書は再発行が実施できないため、紛失してしまい、困っている方もいると思います。
そこでこの記事では返納証明書の概要や失くした際の対処法、書類が必要となる3つのタイミングなどについて解説。
記事を読むことで、返納証明書について理解できるほか、紛失してしまった際も落ち着いて対処できるようになるでしょう。
自動車検査証返納証明書とは:軽自動車の廃車証明書
冒頭でお伝えした通り、返納証明書(自動車検査証返納証明書)とは、軽自動車の所有者が承諾のうえで、自動車検査証を返納した(=軽自動車を廃車にした)ことを確認するための書類です。
この書類がないと、軽自動車の所有者が誰かを確認できなくなります。
そうなれば、「車を勝手に盗まれ、その窃盗犯が所有者のふりをして車を利用する」ということができてしまうでしょう。
しかし実際は車を再度利用するために返納証明書が必要となるため、誰かが所有者のふりをして車を使うことが防止できています。
このように、この書類は軽自動車が不正に流通されることを防ぐ上で、重要な役割を果たしています。
普通自動車の場合は、廃車手続き(一時抹消登録)をすると「登録識別情報等通知書」という書類が代わりに発行されます。
車を解体するまでの間、自身の車が廃車になっていることを証明する役割を果たしてくれます。
詳しくは、登録識別情報等通知書を説明した下記の記事をご参照ください。
返納証明書を取得する方法(=軽自動車の一時使用中止)
返納証明書が発行されるのは、現在使用している軽自動車の使用を「一時中止」するときです。
軽自動車に乗っていると、以下のような状況になり、しばらく軽自動車を使用しなくなる(できなくなる)ことがしばしばあります。
- 入院することになった
- 長期間の出張や海外赴任のため、しばらくの間車を利用できなくなった
- 車が盗まれ、行方がわからない
- 自分はもう車に乗らないが、子どもや孫などの家族が乗るかもしれない
上記のような状態にあるにも関わらず車を放置したままでいると、「車は使わないのに軽自動車税や保険料だけは発生してしまう」という状態におちいります。
乗っていない車のためにお金を払い続けるのは、惜しいものですよね。
そこで必要となるのが、一時使用中止です。
一時使用中止は、自動車検査証返納届とも呼び、一時的に軽自動車の登録を抹消することを指します。
自動車検査証返納届の大まかな流れは、以下の通りです。
- 必要書類を集める
- ナンバープレートを返却
- 申請手数料の支払い
- 書類を記入し提出
- 自動車検査証返納証明書の受け取り
また、自動車検査証返納届で必要となる書類は、以下の通りです。
必要書類 ※クリックすると詳細を見れます |
▼自宅や車にあるもの
▼軽自動車検査協会にある書類 ※黒ナンバーの場合は事業用自動車等連絡書が必要になります |
ちなみに自動車検査証返納届では車を解体しないため、重量税は還付されません。
軽自動車の一時使用中止や廃車についてより詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
返納証明書を紛失した場合:「再発行」ではなく「再登録」になる
返納証明書をなくした場合は基本的に再発行を行えません。軽自動車検査協会で再登録手続きをする必要があります。
というのも、簡単に返納証明書が再発行できると犯罪に利用されるリスクがあるためです。
例として、一時使用中止していた車が誰かに盗まれたとします。
返納証明書が第三者でも簡単に発行できた場合、窃盗犯が無断で返納証明書を発行し、ふたたびその車を自由に使えるようになってしまいます。
このような犯罪を防ぐためにも、返納証明書の再発行は簡単に行えないシステムとなっているのです。
とはいえ適切な対処法を取れば、返納証明書をなくした場合でも問題なく中古車新規登録や任意保険の引継ぎなどが行えます。
自動車検査証返納証明書を紛失した場合は、軽自動車検査協会に相談し、再登録手続きを実施しましょう。
再登録手続きに必要となる書類は、以下の通りです。
- 自動車検査証返納証明書紛顛末誓約書
- 自動車検査証返納証明書遺失等に係る新規検査願出書
- 新規検査願出誓約書
- 車台番号の拓本
- 印鑑証明書
- 実印
誓約書は、軽自動車検査協会の窓口でもらえることがほとんどです。
なお、地域によって必要となる書類に違いがあるので、よく確認しておきましょう。
手続きをスムーズに進めるためにも、再登録手続きを行う際には事前に各地域の軽自動車検査協会へ問い合わせてみることをおすすめします。
「自分が住んでいる地域の軽自動車検査協会はどこにあるのかな?」と思った方は、軽自動車検査協会の公式サイトよりご確認ください。
なお申請の理由によっては、受理してもらえないケースもあります。
確実に再登録してもらうためにも、手続きの際は正当な理由を的確に伝えるようにしましょう。
ちなみに再登録の手続きには、1週間程度と多くの時間がかかります。
また、多くの書類を用意して軽自動車検査協会に行かねばならないため、たくさんの手間がかかるのも事実です。
余計な手間や時間をかけないためにも、いま返納証明書が手元にある方は、大切に保管するようにしましょう。
返納証明書が必要になる3つのタイミング
自動車検査証返納証明書がどんな書類か説明してきたところで、この書類が必要になる3つのタイミングをご説明します。
- 一時使用中止していた軽自動車に再び乗るとき
- 自賠責保険料の還付手続きをするとき
- 任意保険の引継ぎをするとき
それぞれの詳細について、順番に見ていきましょう。
一時使用中止していた軽自動車に再び乗るとき
「一時使用中止」の手続きをした刑事動作者にもう一度乗るときには、返納証明書が必要になります。
軽自動車は「一時使用中止」という所定の手続きを行うことで、一時的に使用をやめられます。
一時使用中止を行った車で再び公道を走りたくなった際は、「中古車新規登録」という手続きを実施しなければなりません。
中古車新規登録を行う場合、自動車検査証返納証明書をはじめとしたさまざまな書類を用意する必要があるのです。
自賠責保険料の還付手続きをするとき
また、車を廃車にして、自賠責保険を解約するときにも、返納証明書が必要になります。
自賠責保険を解約することで、保険期間によっては保険料の一部を返金してもらえます。
自賠責保険を解約して返金してもらう場合も、自動車検査証返納証明書などのさまざまな書類が必要となります。
具体的には、以下の書類が必要です。
- 返納証明書など、使用を停止したことを証明できる書類
- 自動車損害賠償責任保険の原本
- 自動車損害賠償責任保険承認請求書
自動車損害賠償責任保険の原本は、主に保険期間が1ヶ月以上残っていることを証明する上で必要となります。
3つ目の自動車損害賠償責任保険承認請求書は、保険会社の窓口に行く、もしくは保険会社から郵送してもらう形で手に入れられます。
解約の際に戻ってくるお金は、1ヶ月単位で決まっています。
したがって保険期間が1ヶ月未満しか残っていない場合は、残念ながらお金が返ってきません。
自賠責保険の還付については、下記の記事で詳しく解説しています。
任意保険の引継ぎをするとき
返納証明書が必要になる3つ目のケースは、任意保険の等級を引き継ぎたいとき。
任意保険には、等級という制度が存在します。
等級が上がれば上がるほど保険料が安くなり、下がれば下がるほど保険料が高くなっていきます。
軽自動車を廃車手続きした方の中には、新たな車に乗り換えようとしている方も多いでしょう。
しかし事故を起こさずに安全運転を心がけてきたドライバーの場合、車を乗り換えることで等級がリセットされることを惜しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
実は任意保険の等級は、新たな車に引き継ぐことが可能。
現在加入している任意保険で車両入替の手続きを実施すれば、等級を引き継げるのです。
車両入替の際に必要となる書類のひとつが、返納証明書。
保険をお得に利用し続けるためにも、返納証明書は紛失しないようにしましょう。
まとめ
最後に内容をおさらいします。
返納証明書とは、軽自動車に対し廃車手続きを実施することでもらえる書類のこと。
一時使用中止していた軽自動車を再度利用したり、自賠責保険料の返金手続きを行ったりする際に役立ちます。
返納証明書は、犯罪を防止する観点から再発行が行えない書類となっています。
車をしばらく使用しないにも関わらず、長い間放置していると、保険料や税金といったさまざまな出費が発生してしまいます。
今後もしばらく乗る予定がない場合、無駄な出費が発生するのを防ぐためにも、早めに一時使用中止を行って返納証明書を発行しましょう。
万が一紛失して見つからない場合は、必要書類を用意して各地域の軽自動車検査協会に足を運ぶようにしましょう。
再発行手続きには、およそ1週間という長い期間がかかります。
手続きも決して楽ではないので、余計な手間や時間をかけないようにするためにも、無くさないようにすることを強くおすすめします。
今の車を今後乗る予定がない方や、愛車に故障が増えてきた方は、思い切って廃車にするのも手です。
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