「アクセルを踏むと車が振動するようになった」
「走行中のガタガタやドドドッといった音が気になる」
「最近加速がもたつく」
アクセルを踏んだときに車が振動すると「大丈夫かな?」と不安になってしまいますよね。
また、走行中に振動や異音が何度も発生するとストレスを感じ、運転に支障がでる可能性もあります。
メーカーが定める走行距離や年式の基準を超過した車は、寿命が近づき、車体や各部品に不具合が生じます。
アクセルを踏むと振動や異音が生じるときの主な原因は、この不具合や劣化であると言われています。
異常の原因を取り除かず放置すると、致命的な故障につながるケースも少なくありません。
そこで今回は、
- 車の振動の症状別の原因
- 車の振動の修理費用
- 各部品の交換時期の目安
- 修理を依頼する業者の選び方
について解説していきます。
「振動ぐらい、たいしたことはない」と甘く見ず、早めに修理を依頼しましょう。
貴方が安心してカーライフを過ごすための知識として、ぜひ参考にして下さい。
車の振動の症状ごとに原因や修理費用を解説【一覧表】
アクセルを踏んで車が振動を起こす主な原因と、その症状、および修理費用は以下の表の通りです。
原因 | 症状 | 修理費用 |
エンジンマウント | エンジンルームからコトコト音 | 1.5万~3万円 |
イグニッションコイル | アイドリングが不安定
チェックランプが点灯 |
1万~1.5万円 ※1本あたり |
スパークプラグ | 点火の不具合
上手く加速が出来ず振動 |
1,000~2,500円 ※1本あたり |
ジャダー現象 | 走行中ハンドルがガタガタ振動
ドドドッと異音が発生 発進時クラッチ操作の不具合 |
6,000~20万円 |
アッパーマウント | 段差を超えるとガタガタと異音 | 2万円前後 ※1箇所あたり |
冒頭でもお伝えした通り、振動の放置はエンジン故障や燃費の悪化など悪い要素を引き起こす原因になります。
致命的な故障につながらないようにするため、車の振動を甘く考えず、貴方の車と似た症状に当てはめて振動の原因を把握しましょう。
それでは、それぞれの症状について詳しく解説していきます。
エンジンからのコトコト音|エンジンマウントの劣化
エンジンルームから「コトコト」という異音がする場合は、エンジンマウントの劣化が考えられます。
エンジンマウントとは、エンジンを車体に固定するために使用される部品のことを指します。
エンジンマウントは鉄のリングのような部品にゴムがはまっており、その間に刺したボルトでエンジンと車体を固定する仕組みです。
ゴムが年数とともに劣化したり、破れたりすると、車体からの振動を吸収しきれなくなります。
そのため、以下のような症状が発生します。
- エンジンの回転に連動してコトコト・ゴンと異音がする
- エンジンルームから聞こえる音が大きくなる
- エンジンをかけている間常に車が振動している
対処法は、劣化したエンジンマウントを交換することです。
交換時期の目安は、車の年式が10年経過、または走行距離が10万㎞に近づいたときです。
修理費用は、1.5万円〜3万円ほどかかります。
エンジンマウントの劣化の対処をせず放置した場合は、
- 車の発進時や走行時の振動が大きくなる
- 乗り心地が悪くなる
- エンジンが他の部品とぶつかりお互いを傷つけあう
などの恐れがあります。
少しでも異変を感じたらすぐに修理を依頼しましょう。
また、エンジンルームからの異音について詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。
チェックランプが点灯|イグニッションコイルの故障
チェックランプが点灯してエンジンのかかりが悪い場合は、イグニッションコイルの故障が考えられます。
イグニッションコイルとは、エンジンの点火装置の1つです。
エンジンの始動にはスパークプラグ(スパークプラグ)による点火が必要で、そのための電気を供給する部品がイグニッションコイルです。
故障したときの主な症状として、
- アイドリングの不安定による振動
- 加速のもたつき
があります。
対処法は、壊れたイグニッションコイルを交換することです。
交換時期の目安は、その車の走行距離が車の寿命である10万㎞に近づいているかどうかです。
修理費用は、1本あたり1万円〜1.5万円が相場ですが、エンジンの気筒(エンジンの燃焼機関となる金属製の筒)の数によって必要となる本数や工賃が異なります。
イグニッションコイルは消耗品ですので、故障した部品だけを交換するのではなく、気筒がある分全て交換する必要があります。
軽自動車であれば4本、排気量が多い車であれば最大8本付いています。
そのため、全て交換した場合の費用は、4万円~8万円ほどかかります。
イグニッションコイルの故障を放置した場合、
- アイドリング時にエンジンが停止する
- 点火が上手く行えずエンジンがかからない
などの恐れがあります。
少しでも異変を感じたらすぐに修理を依頼しましょう。
上手く加速が出来ず車が振動|スパークプラグの不良
点火の不具合や加速時に異常を感じた場合は、スパークプラグ(プラグ)の消耗が考えられます。
スパークプラグとはエンジンの点火装置の1つです。
イグニッションコイルから供給された電気によって火花を発生させ、圧縮された混合気(燃料が混ざった空気)に点火して爆発を起こす役割があります。
スパークプラグに不具合がある場合、正常に火花が飛ばず、適切なタイミングで点火が行えなくなります。
その結果、以下のような症状が発生します。
- アイドリングの不安定
- 上手く加速できずに振動
スパークプラグの故障時の症状は、イグニッションコイルが故障した場合の症状と類似性が高く、見分けることが難しいです。
上記のような症状が生じた場合は、早めに修理を依頼して故障の原因を特定しましょう。
不具合を放置した場合、エンジンがもつ本来のパワーを発揮できず、燃費の悪化につながります。
最悪の場合は、点火時にシリンダーがうまく機能しなくなる「失火」によってエンジンが振動し、他の部品も故障する可能性があります。
修理費用は、1本あたり1,000円〜2,500円ほどかかります。
ただし、先ほどのイグニッションコイルと同様に、エンジンの気筒の数により必要となる本数や工賃が変化します。
また、スパークプラグは消耗品ですので、定期的な点検と交換をおすすめいたします。
交換時期の目安は、走行距離が1万㎞〜2万㎞になったときです。
ただし、長寿命タイプのスパークプラグの場合は、10万㎞を超えるときに交換となります。
少しでも異変を感じたらすぐに修理を依頼しましょう。
走行中に振動や異音|ジャダー現象
ハンドルのガタガタという振動にともないドドドッと異音がする場合は、ジャダー現象が考えられます。
この現象は、トランスミッションの不具合が原因で生じます。
トランスミッションは、さまざまな歯車や軸から構成されている部品です。
エンジンの回転数や走行中の負荷によってギヤを変え、エンジンの駆動力をタイヤに伝える役割があります。
ひとことでいうと「変速機」です。
変速によってスムーズな走行を可能にしているため、これが上手く作動しなければ、アクセルを踏んだときに振動が起こります。
ジャダー現象の症状は以下の通りです。
- ハンドルが異常な振動を起こす
- 左右にゆれる
- 異音がする
ジャダ―現象は、あきらかに異常な振動や異音が生じるため、気がつきやすい症状です。
トランスミッションは車が安全に走行するために欠かせない部品ですので、不具合を放置した場合、以下の問題が発生すると考えられます。
- ハンドル操作に支障をきたす
- トランスミッション内部および周辺部品へ悪影響を与える
ジャダ―現象の対処法は、ミッションオイルの交換です。
交換時期の目安は、メーカーや車種によって異なりますが、走行距離が4万㎞〜10万㎞の間と言われています。
修理費用は、6千円〜1万円ほどかかります。
しかしながら、ミッションオイルを交換しても直らない場合があります。
そのときは、トランスミッション内部の部品を交換するか、トランスミッション自体を載せ替える必要があります。
トランスミッション内部の部品を交換する場合は5万円〜10万円、トランスミッション自体を乗せ換える場合は20万円以上かかることが考えられます。
大がかりな修理をさけるためにも、定期的な点検と、適切な時期にミッションオイルを交換することをおすすめします。
段差を超えた時にガタガタと異音|アッパーマウントの劣化
車が段差を乗り越えるたびに「ガタガタ」と異音が生じる場合は、アッパーマウントの劣化が考えられます。
アッパーマウントとは、車とサスペンション(路面の凹凸を車体に伝えないようにする装置)をつなぐ部品です。
乗り心地や操縦安定性などを向上させる役割があります。
主に金属とゴムで構成されているので、車の年数や走行距離によってゴムが劣化すると振動が起きる原因になります。
振動の原因がゴムの劣化である場合、段差を乗り越えるたびにガタガタと異音が生じることもあります。
このゴムの交換時期は、車の寿命である購入してから10年経過、または走行距離が10万㎞を超過のどちらか早いほうを目安としましょう。
ただし、走行の仕方や車種によって交換時期は変化します。
修理費用の目安は、1箇所2万円前後です。
修理をしないで不具合を放置した場合、車の振動がひどくなり安全な走行を脅かすリスクがあります。
また、アッパーマウントはサスペンションや車体にかかる負担を軽減する役割があるため、劣化を放置した場合、周辺部品の故障にもつながります。
異常を感じたら早めに修理を依頼しましょう。
修理業者3選の特徴を紹介
ここまでの内容では、アクセルを踏んだ時に振動や異音が起きる原因を解説しました。
続いては、修理を依頼する場合の業者の決め方を紹介します。
車の振動の修理や部品交換を依頼する方法は3つあります。
修理業者ごとのメリットとデメリットは以下の表の通りです。
依頼方法 | メリット | デメリット |
ディーラー | 純正部品を使用
保証範囲内は無料 整備士の技術力が高い |
修理費用が高額
修理期間が長期 取り扱う車種が限定 |
整備工場 | 修理可能な車種幅が広い
修理を優先 リビルトパーツを使用 |
業者ごとで整備士の技術力が異なる |
カー用品店 | 安価な修理費用
持ち込み・店内購入部品を使用可能 |
整備士の技術力が劣る
大がかりな修理はできない |
ではそれぞれについて詳しく解説していきます。
高い専門性や保証を求める人にはディーラーがおすすめ
整備士の技術力の高さや信頼性を重視する人にはディーラーがおすすめです。
ディーラーはメーカー公認の店舗であるため、整備士の技術力が高く、修理に関するノウハウが豊富です。
車種ごとに壊れやすい部品を把握しており、交換する部品も純正部品を使用してくれます。
ディーラーの特徴として最も重要なことは、「メーカー保証」です。
故障した箇所がメーカー保証の対象部品である場合は、無償や割引価格で修理を受けられます。
例えばトヨタ系列のディーラーで新車を購入した場合、消耗品などを除くほとんどの部品を対象とする「一般保証」と、重要な機能を果たす部品を最長5年間保証する「特別保証」があります。
メーカー保証期間終了後も「保証がつくしプラン」に加入していると、万が一の故障でも無償で修理が受けられます。
ただし、トヨタの出荷後にトヨタ以外の者が装着および架装した部品や架装物(自動車メーカーの生産車に特殊部品や装置を取付けたり、車体に改造を加えること)は保証の範囲外となります。
メンテナンスノートに示す点検や整備がなされ、取扱書等に従った正しい使用、お手入れがなされた自動車に限り、保証が受けられます。
保証の内容について詳しくはトヨタ公式のサイトをご覧ください。
また、ディーラーに依頼する場合は以下の3点にあなたの車が当てはまるかを事前に調べておくとよいでしょう。
- 車を購入したお店が自動車メーカーと特約契約を結んだ販売業者かの有無
- メーカーの保証内容と規定
- 修理に対応している車種かどうかの有無
また、ディーラの主な業務は自動車販売ですので、修理は外部委託となる場合が多く、修理期間が長くなる可能性があることも考慮する必要があります。
時間や費用よりも質やサービスなどの安心感を重視する人は、ディーラーに依頼しましょう。
修理費用を抑えたい人には整備工場がおすすめ
修理費用を出来るだけ抑えたいとお考えの人には整備工場がおすすめです。
整備工場は、修理に対応している車種が幅広く、知識や経験が豊富であるというメリットがあります。
さらに、汎用性の高い部品やリビルト品の使用により修理費用を安く抑えることができます。
また、部品の交換ではなく修理を優先する工場も多く、費用を抑えることができます。
生産が終了した部品や希少なパーツを使用している車にとっては、修理を優先する整備工場の存在は大切です。
しかしながら、整備士の技術力は整備工場ごとに異なります。
信頼性があり、高い技術力を持っているかを依頼する前に確認するようにしましょう。
また、車の修理費用の相場については以下の記事で詳しく解説しています。
ディーラーと整備工場どちらに依頼するべきか迷った場合は、参考にしてみてください。
スパークプラグを交換する人はカー用品店もおすすめ
カー用品店では、修理全般ではなくスパークプラグやオイル交換といった一部の部品の交換にのみ対応しています。
交換する部品を店内から選べるため、料金設定が明確に決まっており、費用を比較的安く抑えることができます。
技術力ではディーラーや整備工場に劣る業者が多く、大がかりな修理が必要な場合は依頼を断られる可能性もありますので注意が必要です。
簡単な修理で済む場合や、最低限の費用で抑えたい人にはおすすめです。
重度の故障は修理より乗り換えがお得
ここまでで車のアクセルを踏んだときに起こる振動について、原因や対処法を解説しました。
車のアクセルを踏んだときに起こる振動の原因は、主にエンジン系、トランスミッション系、サスペンション系の部品の不具合が考えられます。
その中でも、エンジン系やトランスミッション系の不具合を放置した場合、エンジン故障や焦げたような異臭の発生につながります。
最悪の場合、車が動かなくなってしまうということにもなりかねません。
仮に深刻な事態が起きなかったとしても、故障した状態での走行は、車が本来所持している性能を引き出せないので、燃費の悪化などにつながります。
車に異常を感じたらそのままにせず、できるだけ早く修理を依頼してください。
修理費用が高額であった場合は、廃車の検討をおすすめします。
日本における車の寿命は、購入してから10年経過もしくは走行距離が10万㎞を超えた場合だと言われています。
詳しくは以下の記事をご参照ください。
あなたの車の年式や走行距離を考慮して、あと何年乗れるのか、高額な修理費用を払う価値はあるのかなど、あなたのカーライフを見直しましょう。
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