「エンジンから変な音がする」
「修理した方がいいのかな?」
「対処法と修理費用の目安が知りたい」
走行中にエンジンルームから聞きなれない音がすると、大丈夫かな?と心配になりますよね。
エンジン回りから聞こえる異音は、緊急性が高い場合がほとんどです。
放置していると、最悪の場合エンジンが動かなくなるリスクがあります。
そこで今回は
- エンジン回りの異音の原因
- 対処法と修理費用
- 修理が高額になったときの対応策
について解説します。
エンジンの異音といっても、音がする場所によって原因はさまざまです。
修理費用も故障部分や故障の程度によって変わってきます。
エンジンから変な音がして、原因や修理費用が気になる人は、ぜひ最後まで読み進めてください。
また修理費用が高額になったときの対応策もお伝えするので、修理をするか悩んでいる人も参考にしてくださいね。
【一覧表】エンジンの異音8種類の原因と修理費用
ひと言に「エンジンから異音がする」といっても、聞こえる音や場所によって原因は大きく変わります。
エンジン本体の不具合の場合もあれば、エンジン回転によって駆動され、連動する他の部品が不具合をおこしている可能性もあります。
まずはどんな音がするのかを聞き分けて、不具合の原因を探っていきましょう。
エンジンから聞こえる異音で代表的なものと、その原因、および修理費用は以下の通りです。
音の種類 | 原因 | 修理費用 |
カタカタ | エンジンオイルの劣化 | 3000円~1万円 |
ガラガラ | ウォーターポンプ | 2~10万円 |
ヒューン | オルタネーター | 5~10万円 (リビルト品は2~4万円) |
ウォーン | エアコンのコンプレッサー | 5~10万円 |
キュルキュル | ベルト類 | 5,000円~1万円 |
カンカン | スパークプラグ | 2,000円~ |
コトコト ゴン |
エンジンマウント | 3~5万円 |
キンキン | オーバーヒート(軽度) | 1,000円 |
オーバーヒート(中程度) | 2~10万円 | |
オーバーヒート(重度) | 30万円~ |
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
カタカタ音:エンジンオイルの劣化
カタカタという音がし、エンジン音が大きくなった場合、エンジンオイルが劣化している可能性が高いです。
劣化の原因は、エンジンオイルの交換を怠ったことなどが考えられます。
オイルは、半年または5,000km走行ごとに交換し、車に合った粘度のものを入れるようにしましょう。
オイル交換を行う場合、2回に1回はオイルフィルター(1,500円〜程度)も忘れずに交換する必要があります。
オイル交換にかかる費用は、3,000〜1万円程度です。
カタカタ音を放置していると、最悪エンジンが壊れて載せ替えが必要になるケースもあるでしょう。
エンジンの載せ替えは30万円〜という高額な費用が発生するため、愛車を廃車にしなければならなくなる場合も。
ガラガラ音:ウォーターポンプ
ガラガラという音がした場合、ウォーターポンプが故障しているケースが考えられます。
ウォーターポンプとは、冷却装置から送られた冷却水をエンジンに循環させ、エンジンを冷やす役割をしているパーツのことです。
ウォーターポンプが故障して冷却水が上手くエンジン内を循環できなくなれば、オーバーヒートをおこしエンジンが焼きつき、走行できなくなることも。
ウォーターポンプから異音がする場合は、ウォーターポンプ本体を交換することで改善されます。
修理費用の目安は2〜10万円ほどで、車種によって変わります。
部品代は10,000円前後ですが、ウォーターポンプはエンジン内部にある部品なので、修理には高い工賃が必要です。
もしタイミングベルトを交換する時期がきているのなら、ウォーターポンプもいっしょに交換しておくと工賃は安くなります。
新車登録から10年、走行距離100,000㎞がタイミングベルトの交換目安なので、故障する前にウォーターポンプも交換しておきましょう。
ウォーターポンプの故障を防ぐためには、冷却水を定期的に交換することが大切です。
ウォーターポンプの交換時期は、車種によって2年ごとのものもあれば7年ごとのものもあるため、定期的に点検を受けて適切な時期に交換を行いましょう。
ヒューン音:オルタネーター
アクセルと連動してヒューンと音がするのなら、オルタネーターが故障している可能性が高いです。
オルタネーターとは、車を充電する部品のことです。
エンジンが動いている間は常に稼働しており、エンジンの回転で駆動しています。
オルタネーターは熱に弱いことから、夏に壊れやすいです。
オルタネーターは、年式が古くなり走行距離が長くなればなるほど寿命が縮まるので、10年もしくは10万km程度を目安に交換が必要です。
オルタネーターが故障すると、車の充電ができなくなりエンジンが始動できないなどの不具合がでてきます。
常にフル稼働している部分なので、異音が聞こえたら車が動かなくなる前に修理しましょう。
電装品であり、水やほこりに弱いため、メンテナンスを定期的に行ってキレイにすることが大切です。
劣化したバッテリーをいつまでも使っていると、オルタネーターに負荷がかかることになるため、バッテリーもこまめに点検しましょう。
オルタネーターは車の主要部分であり、交換頻度の少ない部品なので、交換費用は5〜10万円とかなり高額になります。
ただし、リビルト品とよばれる中古の部品をオーバーホールした部品が使われる場合が多く、交換費用は2〜4万円と半額以下におさえられます。
故障したままでは走行できないので、出費を抑えたい方は新品ではなくリビルト品を上手く活用してオルタネーターを交換してください。
ウォーン音:エアコンのコンプレッサー
走行中にエアコンのスイッチを入れたとき、ウォーンと異音がしたらエアコンのコンプレッサーの故障が考えられます。
コンプレッサーとは、エアコンの冷媒ガスを圧縮するパーツのことです。
コンプレッサーが故障すると、エアコンのガスが上手く圧縮されず、エアコンのスイッチを入れても生ぬるい風しかでてきません。
コンプレッサーが故障したときだけでなく、エアコンのガスが漏れて不足したときにも異音がします。
エアコンのガスを足すだけでは改善されず、むしろ音がひどくなる場合はコンプレッサーも故障している可能性が高いです。
年式が古く走行距離もかなり走っている車は、それだけコンプレッサーに負荷がかかっているので、コンプレッサー本体の不具合も少なくないでしょう。
故障によるウォーン音は、コンプレッサー本体を交換することで対処可能です。
コンプレッサーの付近には異音の原因となるベアリングやテンショナーなど、ベルトを介してコンプレッサーとともに駆動されている部品が多くあります。
他にも異音がしている部品はないのか、よく確認してから交換を行うようにしてください。
頻繁に交換する部品ではないため、交換費用は高額になり5〜10万円かかります。
エアコンが使用できなくても走行に支障はありませんが、暑い日の運転には熱中症などの危険があります。
高額にはなりますが、安全に走行するためには必要な部分なので、交換しておいた方がいいでしょう。
コンプレッサーの故障を防ぎたい場合、定期的にエアコンを使用することが大切です。
加えて、エアコンガスの点検もこまめに行いましょう。
キュルキュル音:ベルト類
「キュルキュル」という音がした場合、ベルト類の故障が考えられます。
▼ベルト類の具体例
- エアコンベルト
- パワステベルト
- ファンベルト
これらのベルト類によって、ファン・エアコンなどの補機類を回転させています。
たとえばエアコンベルトは、エアコンのスイッチを入れたり、雨でベルトが濡れたりすると音がでやすくなるのが特徴です。
劣化がかなり進んでくると、エアコンのスイッチを入れなくても、常にキュルキュルと音がするようになります。
車種によってベルトの本数は異なりますが、1〜3本の車が多いです。
例えばホンダのFITなら1本、N-boxなら2本とエンジンの型式によって変わります。
こうしたベルト類が切れると、エンジンの回転でベルトを介して駆動している部分が動かなくなります。
すると、以下のような事態を招きます。
- 車の充電ができなくなる
- エアコンが効かない
- ウォーターポンプが動かずにオーバーヒートする
- ハンドルが非常に重くなる
走行が困難になり危険な上、大がかりな修理が必要になることもあるので、早めの対処が必要です。
キュルキュル音は、ベルトを交換する形で対処できます。
5,000〜1万円で交換できるので、大がかりな修理が必要になる前に、キュルキュル音が聞こえたら早めに交換してください。
ディーラーでは、ベルトに関する点検項目に「亀裂がないか」など劣化具合のチェックも含まれています。
確認されるのは異音だけではないため、まめに点検を行いましょう。
カンカン音:スパークプラグ
カンカンという音がした場合、スパークプラグが故障している可能性が高いです。
スパークプラグとは、ガソリンを着火させる装置のこと。
火花を飛ばすことでガソリンなどを発火させ、エンジンを作動させる役割を持っています。
スパークプラグが故障すると、アイドリング中に「カンカン」という音が聞こえるほか、
アクセルを踏んでも加速しにくくなり、「バスンバスン」という不規則なリズムの異音が生じます。
こうした異音は、スパークプラグの点火不良によって発生します。
スパークプラグが劣化すると、火花の飛び具合が弱まり、安定した燃焼を行うのが困難に。
その結果、不安定なアイドリングや加速不良を引き起こします。
さらに最悪の場合、エンジンがかからなくなることも。
スパークプラグは12か月点検や車検において点検項目になっているため、日頃からしっかりと点検してもらうことが大切です。
スパークプラグの交換費用は、1本2,000円程度です。
コトコト・ゴン音:エンジンマウント
「コトコト」「ゴン」という音が聞こえるのであれば、エンジンマウントの劣化を疑いましょう。
エンジンマウントとは、エンジンを車体に固定するために必要なパーツのことです。
エンジンを支えたり、車体に伝わるエンジンの振動を弱めたりする役目があります。
そのほか、走行中外からダメージを受けた際、エンジンにその衝撃が伝わらないようにする役割もあります。
エンジンマウントは主にゴムでできており、エンジンから受けた熱や振動によって徐々に劣化していきます。
劣化すると、ゴムが硬くなったり、ひび割れたりしはじめ、異音や振動を感じるようになります。
10万km走行したら、もしくは10年経ったら交換するのが目安です。
急加速・急ブレーキを何度も行っているとエンジンマウントに大きな負担がかかるため、ゆったりとした走行を心がけましょう。
エンジンマウントは3つついている車がほとんどで、すべてを交換すると、費用は3〜5万円程度です。
キンキン音:エンジンのオーバーヒート
キンキンという音がするのであれば、エンジンがオーバーヒートを起こしている可能性があります。
キンキン音が聞こえたら、冷却水周りの点検を行いましょう。
冷却水の補充だけで済めば、かかる費用は1,000円程度となります。
ただし冷却水が漏れていた場合は、修理が必要です。
冷却水は、普通に使用していても年に300ミリリットル程度の割合で自然に蒸発していきます。
それ以上の量が減るようであれば、どこかから漏れている可能性を疑いましょう。
漏れの原因として多いのは、ウォーターポンプの故障です。
ウォーターポンプの交換にかかる費用は、2〜10万円程度となります。
オーバーヒートが重度の場合、エンジンの載せ替えが必要となり、これには最低30万円ほどかかります。
オーバーヒートは放置するとエンジンが動かなくなるリスクがあるので、「キンキン」という異音がしたらすぐに点検を行うようにしましょう。
エンジン異音の修理が高額なら車の手放しも考える
エンジン回りからの異音は、修理費用が高額になる場合がほとんどです。
気づかずに放置し、取り返しのつかないことになった……なんて例もよくあります。
あまりにも修理費用が高額になったら、車を手放すのも1つの方法です。
定期的にメンテナンスをしていても、年数がたち、走行距離がのびると必ず不具合はでてきます。
あと何年乗るのか、他にも故障箇所はないのかなど、あなたのカーライフを考えながら修理をするか否かを判断してください。
故障した車を手放す場合は、次のように売却先を考えると良いでしょう。
- 軽度の故障⇒中古車買取業者
- 重度の故障⇒廃車買取業者
故障が軽度の場合、手放すのなら中古車買取業者がおすすめです。
交換すれば直る故障は中古車査定でそれほど減点にならず、買取価格に大きくひびくことはありません。
走行距離が多くても、年式が新しければ高く買い取ってくれる可能性もあるので、まずは何社か査定を依頼してみましょう。
一方で、故障がひどく、かなり損傷が激しい場合は廃車買取業者がおすすめです。
廃車買取業者なら、どんなに重度の故障でも買い取ってもらえます。
例えば、冷却装置が壊れてエンジンがオーバーヒートをおこした車でも、エンジンが焼きついて動かなくなった車でも問題ありません。
中古車買取業者では値段がつかないような故障車も、廃車買取業者なら0円以上で買い取ってくれます。
年式も古く走行距離も多い車は、故障箇所がどうしても多くなるので、廃車買取業者に売却するのがおすすめです。
弊社ハイシャルでは、どんな車でも0円以上で買い取れるほか、無料で出張引き取りや手続きの代行を行っています。
修理費用が高くなった車の手放しを考えている方は、ぜひお気軽にご相談ください。