「ハンドルを切ったとき、ドライブシャフトから異音がする……原因は何?」
「もう少しで車を買い替えるから少しくらい放置しても大丈夫かな……」
このようにお悩みではありませんか?
ドライブシャフトからの異音は耳障りなだけでなく、走行不能状態におちいる前兆でもあり、とても危険な症状です。
そう聞くと不安になってしまうかもしれませんが、ドライブシャフトの構造は比較的シンプルで、ほとんどの場合内蔵されるベアリングの不具合によって異音が発生しています。
原因もシンプルなため、3〜7万円でドライブシャフトを交換することによって簡単に解決できる可能性が高いのです。
さらに本記事では、交換費用を大幅に安くする3つのコツを紹介。
ドライブシャフトに限らず使えるコツなので、全て必見です。
この記事を読めば、ドライブシャフトからの異音に対する最適な対処がわかります。
ドライブシャフトからの異音はベアリングが原因
ハンドルを切った時に足回りから「ゴリゴリ」「カタカタ」「コトコト」「カカカカ」といった断続的な異音が聞こえる場合、ドライブシャフトに内蔵されるベアリングが破損している可能性が非常に高いです。
ドライブシャフトは、大きく分けると2本のシャフトと1つのジョイント部からなります。
ジョイント部は、段差を乗り越えた時や、FF車・4WD車でステアリング(ハンドル)を切ったときでもタイヤがうまく動くよう、2本のシャフトの向きを自在に変えるための機構です。
ジョイント部の動きは、そこに内蔵されるベアリングによって受け止められます。
ベアリングは、動くたびに、摩擦によってほんの少しずつ削れていきます。
このダメージが限度を超えるとベアリングが破損し、シャフトが回転するのにともなって異音が発生するのです。
ベアリングが破損したまま走行を続けると、後に説明するように、走行不可などの高いリスクがともなうため、すぐに修理しましょう。
そして、ベアリングの破損につながる要因は以下の3つです。
- グリス切れによる破損
- ベアリングの寿命による破損
- 高負荷な運転による破損
それでは、順に詳細をチェックしていきましょう。
グリス切れによる破損
ベアリングが破損する1つめの要因は、ベアリングを潤滑するグリスの流出です。
ちなみに、ドライブシャフト異音の症状がある車両のほとんどがこのパターンによる不調であるといわれています。
ドライブシャフトのジョイント部のベアリングは、ドライブシャフトブーツという柔らかい樹脂パーツによって覆われ、密閉されています。
そして、その中がグリス(高粘土な潤滑油)で満たされることでベアリングが潤滑されています。
しかし、そのグリスが流出すると、ベアリングの潤滑が不十分となり、たちまち摩耗して破損してしまうのです。
グリスの流出は、ドライブシャフトブーツが、経年劣化や飛び石などにより破れてしまうことによって発生します。
さらに、ブーツが破れると、グリスが流出するだけでなく、ホコリや小石、雨水などの異物がベアリングの回転部分に侵入し、ベアリングがより摩耗したり、錆びやすくなったりします。
以上のように、ドライブシャフトブーツの破れによって、ドライブシャフトのベアリングが破損し、異音を発することがあります。
ドライブシャフトの異音がある場合、まずはブーツの破れを疑うとよいでしょう。
ドライブシャフトブーツの修理については、こちらの記事で詳しく解説しています。
https://haishall.jp/column/change-boots/
ベアリングの寿命による破損
ベアリングが破損する2つ目の要因は、パーツそのものの寿命です。
ベアリングを含むドライブシャフトの寿命は、使用状況にもよりますが、適切なメンテナンスのもとでは15万〜20万kmとされています。
車のパーツとしては高寿命ですが、寿命を超過したドライブシャフトを使用し続けると、ベアリングが破損し、異音が発生することがあります。
高負荷な運転による破損
ドライブシャフトに高負荷がかかる運転をすると、新品のドライブシャフトであろうとあっさりとベアリングが破損してしまうことがあります。
高負荷がかかる運転とは、たとえばサーキット走行、ドリフト走行などの急な加減速とステアリング操作が同時に行われるような状況や、段差や障害物の多い悪路走行の状況などです。
一般的な乗用車はもちろんこのような運転を想定していません。
さらに、以上のような状況やモータースポーツの世界では、ドライブシャフトが折れてしまうことすら日常茶飯事。
このような趣味性の高い状況で走行する際は、ドライブシャフトをはじめとする足回りの強化などを検討しましょう。
また、上記のような日常走行の範囲を超えた走行による故障は、メーカーによる保証が効かないケースがほとんどなので注意しましょう。
ドライブシャフト交換費用は1本あたり3〜7万円
ドライブシャフトの異音の原因がベアリングの破損である場合、修理はほぼ不可能で、ドライブシャフトの交換により対処することになります。
ドライブシャフト本体は、純正新品で1本あたり2〜5万円ほどで、工賃は1本あたり15,000円から2万円が相場であるため、合計で1本あたり3〜7万円程度の交換費用が見込まれます。
FFやFRなどの二輪駆動車の場合は2本、4WD車の場合は4本のドライブシャフトがあるため、同時交換の場合はその分費用がかかります。
修理費用を安く抑える3つのコツ
ドライブシャフトの交換の費用は決して安い金額ではないというのが、多くのドライバーにとっての本音ではないでしょうか。
そこで、修理費用を安く抑える3つのコツを紹介します。
- リビルトパーツを使う
- 整備工場に依頼する
- 相見積もりを取る
以上のコツについて、ひとつずつ解説していきます。
リビルトパーツを使う
ドライブシャフトに限らず、車のパーツを交換する際には、新品の純正パーツではなくリビルトパーツを使うことによって、大幅に費用を抑えることができます。
リビルトパーツとは、一言でいえば中古品のことです。
リビルト業者が、廃車など、自動車としては価値がないが、パーツ単位ではまだまだ使えるという車体を回収し、パーツごとに分解し、それぞれを点検、整備、洗浄します。
こうして、性能が担保されたパーツがリビルトパーツです。
その魅力は何より、価格が安いこと。
あくまで目安ですが、多くのパーツが、純正新品の1/3~半分程度の価格で手に入ります。
また、リビルト業者の中には、リビルトパーツにも数年の保証をつけて販売する業者もあり、中古品といっても単なる中古品より信頼性が高いのもわかります。
このコストパフォーマンスの高さから、後述する整備工場などのプロの現場でもリビルトパーツは使われています。
特にドライブシャフトは、交換の際にリビルト品を用いることがよくあります。
逆にいえば、適切なメンテナンスのもとではドライブシャフトはそう簡単に壊れるものではないのです。
ドライブシャフト交換の際は、ぜひリビルトパーツを用いることを検討してみてください。
整備工場に依頼する
修理費用を安く抑えたいのであれば、ディーラーではなく整備工場に修理を依頼するのがおすすめ。
その理由は、主に3つ。
- ディーラーの場合、仲介手数料がかかるから
- 整備工場の方が工賃が安いから
- 整備工場ではリビルトパーツが使えるから
1つ目は、ディーラー修理の場合は仲介手数料がかかるためです。
ディーラーのなかには、お店の中に車の修理や部品交換を行う設備が用意されていない店舗もあります。
その場合はディーラーに修理を依頼すると、下請けの専門業者で修理されることになり、仲介手数料がプラスで請求されます。
整備工場に依頼すれば、仲介手数料が発生しません。
2つ目は、工賃(整備の時間単価)そのものも整備工場の方が安いため。
それぞれ経営方針にもよりますが、多くの整備工場が合理的にコストカットをして工賃をなるべく安く設定しています。
そのため、整備工場の方がディーラーより安い工賃で整備を引き受けてもらえるケースがほとんどです。
3つ目は、整備工場ではリビルトパーツが使用できるため。
ディーラーでの整備には、原則としてメーカーの純正新品パーツが使用されます。
一方で、前述の通り、整備工場では純正パーツに加えてリビルトパーツも多く使用されています。
これによって、工賃だけでなく、パーツ代も安くすることができます。
出費が大きくなるのを抑えたい方は、ぜひ整備工場に修理を依頼してみましょう。
相見積もりを取る
いくつかの業者で交換の見積もりをとってもらい、比較するいわゆる「相見積もり」も費用の総額を抑える上で有効なことがあります。
例えば、より安く見積もってくれた他の業者の見積もり結果を見せると値引きに応じてくれたり、修理のプランを安いものに変更してくれたりと、交渉の余地が生まれます。
ただし、いくつか注意点もあります。
まず、見積もり自体が有料のケースもあること。
自動車の構造はとても複雑で、症状の原因と必要な整備が何かを正確に見極める作業は、時間と労力がかかるものです。
結果的に修理を依頼すれば、見積もり費用を請求されることは少ないですが、修理は依頼せず見積もりだけ、となると、見積もり結果の5%から10%の見積もり費用が請求されることもあります。
見積もりを取る業者が多すぎると、見積もり費用がかさんで、結果的に損する可能性もあります。
次に、費用の安さだけが業者の価値ではないということです。
なかには、コストをかけてでも念を入れた整備を行う工場や、アフターサービスに力を入れる工場、その他、様々な面でユーザーに心地よいと思ってもらえるように工夫を凝らしている工場もあります。
費用の安さを追い求めるあまり、質の悪い整備をされては本末転倒です。
相見積もりでは、価格以外の要素も業者間で比較できるチャンスであるため、スタッフと交渉しながら、総合的な判断のもとに依頼先を決めるのが良いでしょう。
異音を放置するとドライブシャフトが折れて走行不可に
ここまで、ドライブシャフトの交換費用を抑えるコツをお伝えしてきましたが、なかには、「異音くらい我慢できる」「交換しなくてもいいんだったらしたくない」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
そのような考えは非常に危険です。
ドライブシャフトの異音は、ドライブシャフトが完全に破損して機能しなくなる一歩手前であるというサインです。
ドライブシャフトは、車のタイヤを駆動する上で決定的に重要なパーツであり、異音を放置して折れてしまうと、車は全く走行できなくなります。
それが走行中に引き起こされた場合、後続車に追突される可能性もあります。
そのため、ドライブシャフトの異音が判明したら速やかに交換するようにしましょう。
異音を防ぐために定期的なメンテナンスをしよう
上記で紹介した通り、ドライブシャフトから異音が聞こえるようになると、折れてしまうリスクが高くなっています。
ドライブシャフトから異音が鳴らないよう、日頃から定期的なメンテナンスを実施するようにしましょう。
具体的には、ドライブシャフトブーツが破れる、亀裂が入っている、などの劣化がないかを確認する必要があります。
亀裂が入っているだけでまだグリスが流出していない場合は、ブーツの交換だけで済むため、予防整備としてブーツの点検を行いましょう。
ブーツの交換については以下の記事を参考にしてください。
https://haishall.jp/column/change-boots/
FF車の場合は外側のドライブシャフトブーツはステアリングを目一杯切った状態で停車すると確認できます。
一方で、内側のブーツや、FFでない車のブーツを確認するのは難しいため、オイル交換などの整備のついでにブーツの点検を依頼すると良いでしょう。
修理費用が高いと感じたなら車を手放すことも検討
ドライブシャフトの修理は大掛かりな作業となるため、工賃も高くなりやすい傾向にあります。
リビルトパーツの使用や整備工場への依頼を行っても、1台分の交換となると5万円以上の出費は避けられません。
特にもうすぐ乗り換えようと思っていた車や、愛着がそこまで無い車の場合、「この車のためにこんなに高い修理費を払わねばならないなんて…」と落ち込んでしまった方も多いはずです。
高い修理費用を払いたくない方は、思い切って車を手放してしまうのも選択肢のひとつ。
車を手放そうと考えている方は、ぜひ廃車買取業者のハイシャルにご相談ください。
ドライブシャフトなどのパーツが壊れている車は、中古車買取業者に売ってもあまり良い値段がつきません。
というのも中古車買取業者では売られた車をそのまま再販するので、壊れた箇所のある車は高い値段をつけられないためです。
一方で廃車買取業者であれば、車の中にあるパーツを取り出して再販することができるため、故障に関係なく良い値段をつけられます。
ハイシャルでは廃車に詳しいプロのスタッフが親切に対応しているため、廃車手続きに慣れていない方でも安心して手放せるでしょう。
ドライブシャフトが壊れてお困りの方はぜひチェックしてみてください。
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