「車検の事前点検を受けたら、ドライブシャフトブーツに破れや亀裂があった…」
「交換したいけど、いくらくらいかかるの?」
「ドライブシャフトブーツを自分で交換する方法はあるの?」
上記のようにお困りではありませんか?
交換にかかる費用がわからないと、不安になりますよね。
結論から言うと、ドライブシャフトブーツの交換にかかる費用は、1か所あたり1〜2万円程度です。
また自分で交換することもできますが、必要な工具が多く、危険な作業なので初心者にはおすすめできません。
破れた状態で放置していると、グリス(潤滑剤)が漏れて異物が混入したり車検に通らなくなったりと、さまざまなリスクが発生する可能性も。
安心安全なドライブを続けるためにも、早めに修理や交換を実施しましょう。
この記事では、以下の内容について解説しています。
- ドライブシャフトブーツの交換時期
- ドライブシャフトブーツの交換費用
- 交換費用を安くする3つの方法
- DIYでドライブシャフトブーツを交換する方法
記事を読むことで、ドライブシャフトブーツの交換費用に関する不安はすべて解消されるでしょう。
ドライブシャフトブーツの寿命・交換時期
ドライブシャフトブーツとは、ドライブシャフトにおけるジョイント部(つなぎ目)を覆っているパーツのこと。
寿命・交換時期は、5年程度。走行距離にして、5万km程度が目安となります。
上記の時期に近づいたら、交換を行いましょう。
ドライブシャフトブーツは、ジョイント部を包むことで、中にあるグリスが漏れるのを防いでいます。
さらに、走行中に飛んでくる石やホコリ、雨水などから保護するのも役目のひとつです。
ドライブシャフトには、インナーとアウターが存在します。
特にFF車(車の前方にエンジンがある前輪駆動車)や四輪駆動車(4WD)は、フロントドライブシャフトの外側ブーツ(アウター)が破れやすい傾向にあります。
というのも、アウターは、ステアリングを切る関係で大きな負荷がかかるためです。
目視での破損チェックを行う際は、アウターをとりわけ入念に確認するようにしましょう。
また、ハンドルを切った際に足回りから「ゴトゴト」「ガタガタ」という異音がする場合、ドライブシャフトブーツが破損している可能性も。
不具合が見られたら、時期に関わらず交換を検討しましょう。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。
ドライブシャフトブーツの交換費用は1~2万円(1か所)
ドライブシャフトブーツの交換にかかる費用は、1か所あたり1〜2万円です。
2か所破損した場合、2倍の費用がかかることになります。
なお、具体的な費用は依頼先によっても変わります。
ちなみにオートバックスの場合、パーツ代は公開されていませんが、作業工賃は3,500円〜6,000円程度かかります。
ジェームスは、パーツ代と工賃合わせて12,000〜15,000円程度です。
また、大きな出力を持つエンジンを搭載した車や重量のある車は、パーツ代も通常より高額になりやすい傾向にあります。
交換費用が高すぎると感じた方は、次の項目で紹介する費用を抑えるポイントについてもチェックしてみてください。
ドライブシャフトブーツの交換費用を安くする3つの方法
以下のコツを押さえることで、ドライブシャフトブーツの交換費用を安くできる可能性が高まります。
- ディーラーではなく整備工場に依頼する
- 分割式のドライブシャフトブーツを使う
- 交換費用の相見積もりをとる
それぞれの詳細について見ていきましょう。
ディーラーではなく整備工場に依頼する
修理費用を抑えたいのであれば、ディーラーではなく整備工場に依頼するのがおすすめ。
ディーラーは、整備工場よりも費用がかかりやすい傾向にあるためです。
ディーラーの価格が高くなる理由のひとつとして、整備工場よりレバレートが高い点が挙げられます。
レバレートとは1時間あたりの基本工賃のこと。それぞれのディーラーや整備工場において、個別に決められています。
レバレートは一般的に、整備工場よりディーラーの方が高く設定されているもの。
したがって、ディーラーは合計の費用も高くなりやすい傾向にあるのです。
費用を節約したい方は、ぜひ整備工場での修理を検討してみましょう。
分割式のドライブシャフトブーツを使う
ドライブシャフトブーツは、分割式・非分割式の2種類に分かれています。
分割式はブーツが真ん中で割れた形状になっているもので、ドライブシャフトにかぶせる形で交換します。
対して非分割式は、真ん中が割れていません。
分割式のドライブシャフトブーツを利用すると、非分割式よりも安く交換できます。
具体的には、分割式の場合1箇所あたり4,000円ほどで交換できます。
分割式は真ん中で割れており、かぶせる形で容易に交換できるため、その分工賃が安く済みやすいのです。
お得に交換したい方は、分割式のブーツを選択しましょう。
交換費用の相見積もりをとる
修理を依頼する業者は初めから1社に絞らず、複数の業者から相見積もりをもらいましょう。
1社だけに見積もりをもらってそのまま依頼すると、足元を見られても気づけず、相場以上に高い費用を払うことになります。
一方で複数社から見積もりをもらえば、その中で一番安い業者を選べるためお得です。
複数社から見積もりをもらったケースを想定してみます。
たとえば、業者A・B・Cの3社から相見積もりを取った結果、業者Aは4万円、業者Bは6万円、業者Cは2万円と言われたとしましょう。
最安値の業者Cは、最も高い業者Bより4万円もお得です。
このように複数の業者を見比べれば、どこが安いかすぐにわかります。
小さな破れはグリスの補充で応急処置ができる
ドライブシャフトブーツの交換費用が気になる場合は、プロに依頼せず、応急処置で乗り切るのも選択肢のひとつです。
この方法がおすすめできるのは、以下のようなケースです。
- 近々車を乗り換えるつもりでいる
- そろそろ廃車しようと思っていた
上記に当てはまる方の場合、「もうすぐ手放す車のために高い費用を払って交換するのはちょっと…」と思うことでしょう。
先ほど触れた通り、ドライブシャフトブーツが破れると、中のグリスが漏れだします。
グリスが漏れている場合は、基本的にブーツの交換が必要。
しかし破れの度合いがまだ大きくない状態であれば、クリーナーでグリスを拭き取り、液体ガスケットを塗り込むだけで対処できるケースもあるのです。
液体ガスケットとは、中に入っている液体などが漏れ出さないように封じるアイテムのこと。
ブーツに小さなヒビが入っている程度であれば、液体ガスケットによってグリスのさらなる漏れや破損を防げる可能性があります。
とはいえ、応急処置で対処する方法はあまり推奨できません。
あくまでもその場しのぎの方法であり、再び壊れる可能性が高いためです。
再びブーツに大きな破損などが起これば、走行不能などのトラブルに見舞われるリスクが高まります。
再び破損した後に費用を払って修理することになると、結果的により多くの出費が発生し本末転倒になります。
応急処置と言っても、修理を依頼する以上工賃は発生します。
何度も修理費用が発生するのであれば、思い切って交換した方がお得でしょう。
【上級者向け】DIYでドライブシャフトブーツを交換する方法
ドライブシャフトブーツの交換費用を安く抑えたい方は、DIYで交換を行うのも1つの手です。
ただしDIYで交換する方法は、あくまでも上級者向け。
ジャッキアップして作業することもあって危険が伴うため、安全に十分な配慮が必要です。
さらに準備すべき工具も多いため、普段から修理や交換を行っていないと、工具を準備する時点で手間と費用がかかります。
今回は、比較的簡単な分割式の交換方法を紹介します。
ブーツ交換のために用意するもの
ブーツ交換を行う上で必要となるものは、以下の通りです。
▼部品・消耗品
- ドライブシャフトブーツ
- ブーツバンド(大径、小径)各1本ずつ
- グロメット(大径、小径)各1本ずつ
- 接着剤
- 発熱シート
- グリス
▼工具類
- ジャッキ
- リジットラック
- レンチ
- トルクレンチ
- ニッパー
- カッターナイフ
- ハンマー
- マイナスドライバー
- パーツクリーナー
- ウエス
- ペンチ
用意する際は、車種や型式に合った部品を選びましょう。
ちなみに、下線を引いているアイテムはセットになっているケースがほとんどです。
準備ができたら、以下の手順に沿って交換を実施します。
分割式ブーツを使った交換の手順
分割式ブーツを使用した交換の手順は、以下の通りです。
1:車の両輪をジャッキアップしてタイヤを外す
ジャッキアップとは、「ジャッキ」というアイテムを用いて車を持ち上げること。
ジャッキアップをした後はリジットラック(ウマ)をかけてジャッキを外します。
作業中に体が下敷きにならないよう、外したタイヤも置いて保険をかけておきましょう。
2:古いドライブシャフトブーツを取り外す
ブーツバンドを大きめのニッパーで切ります。
バンドが無事に取れたら、古いドライブシャフトブーツをカッターで切って取り外しましょう。
3:ジョイントのグリスを交換する
内部の古いグリスやホコリをふき取ります。周囲に飛散したグリスもキレイにふきましょう。その後、新しいグリスを注入します。
グリスを入れる際は、ドライブシャフトを回しながら均一に注入するのがコツです。
4:分割式ブーツをシャフトにはめる
先にブーツへ接着剤をつけてからシャフトにはめます。
詳しい接着方法はメーカーによって異なるため、必ず説明書を読みましょう。
5:発熱シートを貼り付けて放置する
発熱シートを貼り付けたら、8分ほど放置します。
商品によって放置時間は変わるため、こちらも説明書をチェックしましょう。
6:グロメットとブーツバンドを取り付ける
グロメットをはめ、上からブーツバンドをつけて、バックルをハンマーでたたいて固定します。
7:動作確認をし、タイヤを取り付ける
ハンドルを切ってもずれないか必ず確認します。動作に問題がないかをチェックした上で、タイヤを取り付けましょう。
ドライブシャフトブーツの破れを放置するリスク2つ
上記ではドライブシャフトブーツの寿命や交換時期について解説しましたが、費用のことを考えると「できれば交換時期が来ても交換したくない」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、ドライブシャフトブーツの破れを放置するのは大変危険。
以下のようなリスクを引き起こす可能性があるためです。
- 車検に通らない
- グリスが漏れ出したり、異物が混入する
それぞれの詳細について、ひとつずつ解説していきます。
車検に通らない
ドライブシャフトブーツが破れている状態では、車検に通りません。
車検では、車の部品ごとに保安基準が定められています。
そして基準に適合していないパーツが一個でもあった場合、車検に通ることはできません。
ブーツが破れている状態では、保安基準において不適合と判断されます。
つまりブーツの破れを直さなければ、再度車検を受ける必要が出てくるのです。
車検では、以下のようなチェックがなされます。
- ドライブシャフトブーツが破れていないか
- グリスが漏れていないか
- ブーツに亀裂が入っていないか
車検に通らなければ、公道を走ることができません。
車検を何度も行う手間をかけず、一発で通るためにも、あらかじめ修理を行っておくのがおすすめです。
グリスが漏れや異物混入が起こる
ブーツが破れた状態で放置していると、グリスが漏れ出して部品にダメージを与えたり、走行が難しくなったりすることにつながります。
グリスとは、車のパーツをスムーズに動かすために必要となる潤滑剤のこと。
ドライブシャフトブーツの中には、パーツのすり減りを防止するためのグリスが含まれているのです。
ブーツが破れると、中にあるグリスが漏れ出すことに。
漏れた状態で走り続けると、グリスが飛んできた砂埃や泥汚れと混ざり合い、ベアリング(回転をサポートしてくれるパーツ)周辺にダメージを負わせる原因になるでしょう。
さらにひび割れた箇所へ雨水を受けることで、ジョイント部分(つなぎ目)が錆びてすり減り、パーツが抜け落ちて車が走れなくなるケースもあります。
ドライブシャフトブーツを長持ちさせる方法
ドライブシャフトブーツを長持ちさせる上で意識したいポイントは、以下の2つです。
- 定期的にメンテナンスする
- 荒い運転を避ける
ドライブシャフトブーツは定期的にメンテナンスを実施しましょう。
ドライブシャフトブーツが破れていても、ランプなどで知らせてくれることは基本的にありません。
破損に気づくためには、自分の目で破れていないかをチェックする必要があります。
ブーツの表面を入念に確認し、ひび割れなどの異常がないかを定期的に見てみましょう。
セルフチェックに自信がない方は、プロに点検してもらうのがおすすめです。
特にグリス漏れがないかについては、入念に確認する必要があります。
フェンダーの内側に黒色の斑点があった場合、ブーツが破れて漏れたグリスである可能性も。
斑点があったら、一度プロにドライブシャフトブーツを見てもらいましょう。
2つ目に、荒い運転は避けましょう。
急ハンドル、急旋回の多い運転は、ドライブシャフトブーツに大きな負担をかけます。
荒い運転は、ドライブシャフトブーツに限らずあらゆるパーツにダメージを与えます。
修理の手間や出費を増やさないよう、常に安全運転を心がけましょう。
交換費用がかさむなら車を手放すことも検討する
ドライブシャフトブーツに大きなガタつきや傷が出てきた場合、ドライブシャフト(車の走行を安定させるパーツ)を丸ごと交換しなければなりません。
当パーツの交換には、3〜5万円ほどかかるケースも。
高い修理代を払いたくない方は、車を手放すことも検討してみてください。
中古車買取業者では売られた車をそのまま再販しているため、故障箇所のある車は高値がつきにくい傾向にあります。
一方で廃車買取業者であれば、まだ利用できるパーツを再販したりすることで利益を出しているため、故障箇所があっても高価買取が期待可能です。
ドライブシャフトが壊れた方は、ぜひ廃車買取業者であるハイシャルにご相談ください。
ハイシャルでは、廃車に詳しいプロのスタッフが丁寧に対応を行っています。
「廃車手続きは初めてで右も左も分からない」という方でも、安心して車を手放せるでしょう。