みなさんはディーゼルエンジンと聞けば、どんなイメージが浮かびますか?
良いイメージと言えば、
「燃費が良い」「燃料代が安い」「頑丈」
などが思い浮かぶと思います。
一方悪いイメージでは、
「音がうるさい」「排気ガスが黒い」
などさまざまなことが思い浮かぶと思います。
実は上記で上げた、メリットデメリットはどちらも正解になります。
この記事ではディーゼルエンジンのメリットデメリットについて解説していくと同時に、ディーゼル寿命について解説していきます。
さらに、ディーゼルエンジンの寿命を延ばすコツに関してもご紹介。
この記事を読めば、ディーゼルエンジンの寿命がわかるほか、長持ちさせる方法がわかります。ぜひ参考にしてみてください。
ディーゼルエンジン車の寿命は長い
ディーゼルエンジンは通常のガソリンエンジンと同じで一般的にはレシプロエンジンと呼ばれます。
レシプロエンジンとは、往復運動機関、ピストンエンジン ・ ピストン機関とも別名もあります。
ディーゼルエンジンの寿命はとても長く、一例を挙げるなら、生鮮食品関係運送業などで使用している「4t保冷車」などは総走行距離「100万キロ」を超えていても毎日重い荷物を乗せて健全に走行することが可能です。
またトラック中古車市場でも車種・メーカー・使用用途により異なりますが総走行距離「50万キロ以上」の中古トラックが大人気で市場の大半を締めています。
トラック中古車市場では、「50万キロ」時点で償却期間と呼ばれていることからガソリンエンジン車の「10年10万キロ」とは比べ物にならない耐久性があります。
現在でも多くの運送業などで、トラック1台「50万キロ」という業界の償却期間ラインがあるのも、ディーゼルエンジンの寿命が長いためです。
このように総走行距離が「50万キロ以上」でもクルマとして価値あると判断される部分でもディーゼルエンジンの寿命は長いと言えるでしょう。
ディーゼル車とガソリンエンジン車との違い
ガソリンエンジンは、インテークマニホールドより吸入された空気に燃料を混合させて走行時、その混合気を約11~12Mpa(メガパスカル)程度で圧縮させてスパークプラグにより点火することでエンジン出力を得る仕組みです。
補足:インテークマニホールドとは、エンジンに空気を送り込むパイプおよび、補機類の総称です。
それに対してディーゼルエンジンは、インテークマニホールドより吸入された空気をそのまま圧縮します。
高温になった空気に霧状の燃料を吹きかけます。その混合気を約18Mpa(メガパスカル)程度まで圧縮させ自然発火させることでエンジン出力を得る仕組みです。
2つのエンジンシステムでの違いは、点火装置(スパークプラグ)がガソリンエンジンには必須で、ディーゼルエンジンには不要ということ。
圧縮比に関してもガソリンエンジンより高いので、エンジンブロック自体が分厚く頑丈になります。
ディーゼルエンジン車のメリット
ガソリンエンジンと比べてディーゼルエンジンには魅力的な一面も存在します。
まずは、熱効率(熱変換率)がよいことです。
熱効率とは、熱が仕事に変わった時の熱と仕事の割合を示す数値になります。
一般的にガソリンエンジンは約20%~30%という数値ですが、ディーゼルエンジンに関しては約40%前後の、熱効率(熱変換率)が得られます。
特に大型船舶ディーゼルエンジンなどは約50%程度の熱効率(熱変換率)が得られます。
ガソリンエンジンに比べて非常に熱効率に優れたエンジンになります。
もう1つは、みなさんご存じの燃料費用が安いこと。
ガソリン、軽油どちらにも燃料本体価格に各種税金が加算された状態でガソリンスタンドで販売されています。
しかし両燃料を比較すると税金加算の内容が大きく違います。
その点を見ていきましょう。
例えば、ガソリン「1L=150円」の場合は、燃料本体価格が、150円に対して税金が占める割合が約50%~60%程度になります。
その60%の割合の中身は、「ガソリン税(本則税率)」「ガソリン税(暫定税率)」「石油税」「消費税」が含まれます。
この中で「ガソリン税(本則税率)」「ガソリン税(暫定税率)」の金額が税金の多くの割合を占めており、約55円程度になっています。
次に軽油を見ていきましょう。
例えば、軽油「1L=130円」の場合は、燃料本体価格が、130円に対して税金が占める割合が約30%程度になります。
その30%の割合の中身は、「軽油取引税(本則税率)」「軽油取引税(暫定税率)」「石油税」「消費税」が含まれます。
この中で「ガソリン税(本則税率)」「ガソリン税(暫定税率)」の金額が税金の多くの割合を占めており、約30円程度になっています。
両燃料を比べると、税金の加算金額差がそのまま燃料代金に反映されていることがわかります。
燃料代が安いのもディーゼルエンジンの大きな魅力の1つです。
ディーゼルエンジン車のデメリット
もちろんディーゼルエンジンにもデメリットが存在します。
まずは、頑丈な構造のためエンジン重量が増加する。
ディーゼルエンジンは構造上、エンジン内部のシリンダブロック・ピストン・コンロッドなど部品を頑丈な素材にして高圧縮に耐えられる部品ではないといけなくなります。
そのため必然的にエンジン重量が増加してしまう傾向があります。
もう1つは、みなさんご存じの通りエンジン音が大きいこと。
ディーゼルエンジン特有の「ガラガラ」という音は聞いたことある方も多いと思います。
ガソリンエンジンではそのような音は発生しません。
現在、車内泊、キャンピングブームなどもディーゼルエンジンよりガソリンエンジンの方が静寂性が高いという理由で選択される場面も増えて来てます。
ご自身のカーライフのニーズを応じて、ディーゼルエンジンのデメリット面を加味できるかもご購入の際には一度検討することをおすすめします。
ディーゼルエンジンを長持ちさせる3つのコツ
ディーゼルエンジンは
「あまりメンテナンスしなくても問題ない」
という話を聞くことがありますが、それは大きな間違いです。
ディーゼルエンジンもメンテナンスしないと、エンジンの特徴である「力強さ」が失われる可能性もあります。
定期的なメンテナンスは実施することをおすすめします。
ここでは、ディーゼルエンジンを長持ちさせる次の3のコツについて解説します。
・エンジンオイルを定期的に交換する
・エンジンが温まった後に発車する
・エンジンを回し過ぎる・回さなすぎる
エンジンオイルを定期的に交換する
エンジンオイル交換に関しては、走行距離か交換後の日数を見て交換していきましょう。
エンジンオイルは人間で例えると血液のようなイメージです。
エンジン停止時はオイルパンで溜まっていますが、エンジンが始動するとクランクシャフトやピストンホールなどにも回っていきます。
高温・高回転で動くエンジン各部品に対してエンジンオイルは非常に重要です。
オイル交換をほったらかすとエンジンオイルに期待される、潤滑・冷却・洗浄の効果が弱まりエンジンを汚して出力低下を招きます。
「走行距離は3,000~5,000km」「期間は3~6ヶ月」を基準にして定期的にオイル交換を実施しましょう。
エンジンが温まった後に発車する
これはガソリン・ディーゼルエンジンどちらでも言えることですがエンジン暖機運転が終了する前に走行するにはあまりおすすめできません。
その理由は、エンジンの燃焼爆発力をクランクシャフトに伝えるピストンという部品が存在します。
このピストンはピストンホール内に納められており、非常に精密な寸法でクリアランスが調整されています。
暖機運転が終わる前に走行すると、ピストンの熱膨張がされないままピストンが上下運動することになり、ピストンホールを傷つけたり、エンジンオイルが燃焼室に入り込みオイルも一緒に燃焼させてしまい燃焼室内にオイル汚れが付着します。
このような事態を避けるためにも暖機運転にて適切にエンジンを温めて各部材を熱膨張させて、丁度よいクリアランスで走行することをおすすめします。
車種にもよりますが、1分~2分程度のアイドリング又は、冷却水エンジンチェックランプアイコンが消灯するかを参考にしていきます。
是非一度実施してみてはどうでしょうか。
エンジンを回し過ぎる・回さなすぎる
エンジンを回さなさすぎる場合の起きやすい故障は、ディーゼルエンジン特有のDPF(排ガス浄化装置「ディーゼル微粒子捕集フィルター」)が目詰まりをして故障する確率が上がります。
DPF(排ガス浄化装置「ディーゼル微粒子捕集フィルター」)は、ディーゼルエンジンを搭載する車両の黒煙(排気ガス)に含まれるススなどの有害物質を集塵フィルターに捕集し、大気中に排出しないよう走行中に燃焼除去をして自動再生を行うディーゼルエンジンの重要な装置です。
DPFが故障すると排気ガスが浄化されないためフィルターが目詰まりを起こしてエンジンチェックランプが点灯します。
まだ症状が浅いころは、販売店ディーラーなどでコンピューターOBDより電子制御にて強制的に燃焼させる方法があります。
この場合は費用相場は1万円~2万円ほどで済みます。
しかし経年劣化と共に装置そのもの自体が機能しなくなった場合は、部品交換という手段しか残っておらず、4tサイズだと新品で約50万程度+交換工賃が加算されて痛い出費になります。
特に事業で使用されるトラックに関しては、エンジンチェックランプが点滅時点で早く手を打つことをおすすめします。
点灯になるとDPFがほとんど機能していない状態ですので、点滅のうちに早めの対策を実施することをおすすめします。
ディーゼルエンジンが故障した際の修理費用
ディーゼル車の強みでもある頑丈なエンジンですが、故障したときにはガソリンエンジンと違い構造が複雑なので高額な費用が発生します。
急な故障に高額な費用と予期せぬトラブルも多いと思います。
ここでは実際に故障した際に必要とした費用を見ていきましょう。
パーツの修理で済む場合
ディーゼルエンジンのオイル交換を放置しておくと、オイル漏れの原因に繋がります。
エンジンは上下シリンダブロックと2つのブロックに分かれて構成されています。
その上下シリンダブロックをネジで留めていますが、どうしても熱膨張を考慮したクリアランスが必要なのですき間が存在します。
そのクリアランスを埋める役割を担うのがパッキンになります。
パッキンは上下ブロックを密着させて振動吸収を抑える役割の他に、オイルの密閉やガスの密閉など隠された機能を持っているゴム製又はプラスチック製の部品です。
このパッキンの劣化が原因でオイル漏れが発生している場合には、エンジンを着脱してパッキンを交換しないと治らないのが現状です。
この際の交換費用は、車種により異なりますがエンジン着脱料金を含めて約15万~20万円が相場です。
このような故障も定期的なオイル交換・メンテナンスの実施で防げる故障になります。
「エンジンは頑丈だし大丈夫」
と言われますが定期的なメンテナンスを実施せずに走行していると、このような故障も引き起こします。
ディーゼルエンジンを長持ちさせたいと考えておられる方は、定期的なメンテナンス入庫をおすすめします。
エンジンを載せ替えの場合
ディーゼルエンジンが故障して、エンジン載せ替えとなった場合の修理費用はどの程度なのか?ここでは実例をもとに見ていきましょう。
車種は4t保冷車になります。
中古で約60万キロ走行時に購入して、その後業務で毎日使用して総走行距離が115万キロに達したときにエンジンが急に壊れました。
このエンジンが壊れた原因は、オーバーヘッドカムの歯車が欠けて燃焼室内に入って、それが原因でエンジンが壊れてしまいました。
この時の故障を防ぐ方法はなく、単なるトラックとしての寿命でした。
この時のエンジン載せ替えの総見積金額は100万円程度でした。
ディーゼルエンジンはエンジンが頑丈なため、リビルトエンジンなどでも中古市場で出回っていますが、エンジン着脱料などを含めると物凄い高額な金額になります。
みなさんもエンジン載せ替え時は、100万円程度の費用出費が重なることも覚えておきましょう。
ディーゼルエンジンの寿命は修理不可・高額な修理費用になった時
4tディーゼルエンジンの乗せ換えは100万円程度の費用が発生します。
この際は、エンジンを載せ替えして引き続きその車両を乗り続ける方法もありです。
更には、エンジン乗せ換え費用100万円+自己資金100万円の合計200万円で新しい車両などを買う方法もあります。
4t保冷車の場合、中古車市場で走行距離50万キロ~60万キロ程度で200万円~300万円程度で購入することができます。
年式も最新式は難しいですが、オークションなどでのスタート価格が100万円~150万円程度で開始されるので自己資金を足せば充分に予算内で落札できる可能性もあります。
エンジン載せ替えで修理不可の場合は、一度自己資金を投入して車両入替を検討するのもおすすめです。
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このようにディーゼル車の不動車でも高価買取してもらう方法は存在します。
みなさまも「もう壊れたから」と諦めないで高価買取できるチャンスを模索しましょう。