車の買い替えを検討する際に、ディーゼルエンジン車が気になるという方も多いのではないでしょうか?
ディーゼルエンジンに関しては、「パワフル」「頑丈」などの良いウワサと「高い」「すぐ壊れた」などの悪いウワサの両方が飛び交っていて、本当に購入していいのかわからなくなってしまいます。
そこでこの記事では、以下の内容について解説します。
- ディーゼルエンジンの寿命年数
- ディーゼルエンジンとガソリンエンジンの特徴を徹底比較
- ディーゼルエンジンの寿命を伸ばすためのコツ
こうしたディーゼルエンジンの特徴を理解することによって、そもそも自分にディーゼル車が向いているかどうかが簡単にわかります。
燃料代の安さや燃費の良さに飛びついてよく特徴を理解せずにディーゼル車を買うと、安く済むと思いきや、メンテナンス費用の高さで痛い目を見ることも……。
ディーゼル車を検討する際に必要かつ十分な情報を解説しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
ディーゼルエンジンの寿命は10年以上!ただし、丁寧なメンテナンスが必須
ディーゼルエンジンは、寿命が長いという話を耳にするかもしれません。
しかし、必ずしもそうとは限りません。
ディーゼルエンジンは、メンテナンスをしっかり行えば、ガソリンエンジンより飛躍的に長く乗れます。
一方で、メンテナンスを怠ると、ガソリンエンジンより早く壊れてしまいます。
言い換えれば、ディーゼルエンジンは、乗り手や状況を選ぶエンジンなのです。
一般的に、ガソリン車の寿命は10年と言われています。
一方で、もしあなたがディーゼル車を適切にメンテナンスし、ふさわしい乗り方をするのであれば、ディーゼルエンジンの寿命は10年以上になります。
長距離輸送に使われるトラックなどには、ディーゼルエンジンが搭載されていますが、適切なメンテナンスのもと、100万km以上の距離を走るものもあるといいます。
このように、ディーゼルエンジンは、潜在的に長い寿命をもっていますが、それを引き出せるかどうかは乗り手にかかっているということです。
【徹底比較表】ディーゼル車の特徴は?ガソリン車との比較
ここでは、ディーゼルエンジンの特徴、メリットやデメリットを、ガソリンエンジンと比較しながら見ていきます。
比較するポイントは、以下の6つです。
比較項目 | ディーゼル エンジン |
ガソリン エンジン |
耐久性 | 高い | 普通 |
---|---|---|
車両価格 | 高い | 安い |
燃料代 (燃費×燃料単価) |
安い | 高い |
出力特性 | パワフル (特に低回転域) |
普通 |
メンテナンス性 | 手間とお金が かかる |
楽 |
税金 | 普通 | 普通 |
※あくまで同一車種のディーゼル車とガソリン車を比較した際の相対的な評価
現在、乗用車でディーゼルエンジンを搭載している車種のほとんどが、ガソリンエンジンを搭載したモデルも選べるようになっています。
ディーゼルエンジンの寿命を考える上で、ガソリンエンジンとの比較をすることによって、より満足度の高い車選びができます。
結論を先取りすると、ディーゼル車とガソリン車の比較からわかることは以下の通りです。
▼ディーゼル車はこんな方におすすめ
- 普段使いで圧倒的なパワー感を感じたい人
- 重い荷物や、大人数を運ぶことが多い人
- 燃料代を抑えたい人
▼こんな方はディーゼル車を選ぶかよく考えよう
- 車にかかるトータルコストを安く抑えたい人
- メンテナンスに手間をかけたくない人
それでは、それぞれの項目について詳しく解説していきます。
耐久性:ディーゼル車の方が高い
ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比べて構造上頑丈で、耐久性が高いです。
そもそもエンジンは、シリンダーで混合気(燃料と空気を混ぜた気体)を爆発させることによって動力を得ています。
ガソリンエンジンは、圧縮した混合気にプラグで火花を飛ばすことによって着火していますが、ディーゼルエンジンは、空気のみをより高圧に圧縮して温度を上昇させ、その高温の空気に燃料を噴射することで自然発火させています。
そのため、ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比べてより高圧に耐えられるような設計がされているため、エンジン本体が頑丈であると言えます。
出力:ディーゼル車の方がパワフル
ディーゼルエンジンとガソリンエンジンは、同じ排気量の場合、最高出力は大きくは変わりません。
一方で、出力特性(エンジンの力の発揮され方)は大きく異なります。
ディーゼルエンジンは、エンジンの回転数(1分間にエンジンが回転する回数)が低い領域で最高出力を発揮します。
そのため、発進加速において非常にパワフルでゆとりのある走りが体感でき、車に大人数で乗る場合や、重たい荷物を載せた場合で恩恵を受けやすいです。
さらに、ガソリン車に比べて少ないアクセルの踏み量で鋭い加速ができるため、感覚的にもパワフルさを実感しやすい特性です。
しかし、エンジン回転数が高い領域では、そのような力強さは感じられなくなっていきます。
実際に高速で巡航する際は、自動車の機構上、低回転域で走行できますが、スポーツ走行には向きません。
一方で、ガソリンエンジンは、エンジン回転数が高くなるにつれて少しずつパワーが発揮される特性です。
それゆえに、エンジンの最高出力は高回転域で発揮される傾向にあり、ディーゼル車と同じように加速するには、アクセルをしっかり踏んで高回転域までエンジンを回す必要があります。
しかし、逆にそれは直感的に違和感なく運転できる、癖のない出力特性とも言えます。
このように、ディーゼルエンジンとガソリンエンジンの出力特性は、どちらも一長一短があります。
しかし、実際のところ、街乗りをはじめとする一般的な使用用途の場合、使われるのは低回転から中回転域がほとんどです。
また、ガソリンエンジンが高回転域に優れるという特性は、一般的な使用用途である限り、乗り手の感じ方にかかわるものに過ぎません。
よって、街乗りをはじめとする一般的な用途においては、ガソリンエンジンより、ディーゼルエンジンの出力特性の方が強みとなりやすいのです。
燃料代:ディーゼル車の方が年間4〜6万円安い
ディーゼルエンジンとガソリンエンジンの大きな違いに、燃料代があります。
燃料代は、ディーゼルエンジンのほうが圧倒的に安上がりで、ガソリン車に比べて年間で4万円から6万円安くなります。
燃料代の違いに大きな影響を与える要素は、燃費と燃料の価格です。
【燃費】
ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比べて、燃焼効率がよいとされています。
ディーゼルエンジンの燃料である軽油の方が、同じ量のガソリンよりも燃焼させた際に大きなエネルギーを発生させることができるためです。
ディーゼル車とガソリン車の両方のモデルがある代表的な車種を3台の燃費を比較してみましょう。
▼マツダ3のディーゼルとガソリンの燃費
マツダ3の燃費 | カタログ燃費 | 実燃費(口コミによる) |
---|---|---|
ディーゼル | 19.8 km/L | 17.53 km/L |
ガソリン | 15.6 km/L | 13.45 km/L |
※カタログ燃費は、マツダ3ファストバック、2WD、ATで比較(参考:マツダ公式)
※実燃費は、マツダ3ファストバック全体で比較(参考:みんカラ 2024/04/05閲覧)
▼トヨタ・ハイエースのディーゼルとガソリンの燃費
ハイエースの燃費 | カタログ燃費 | 実燃費(口コミによる) |
---|---|---|
ディーゼル | 11.7 km/L | 9.62 km/L |
ガソリン | 9.4 km/L | 7.98 km/L |
※カタログ燃費はトヨタ・ハイエースバン、2WD、スーパーGL、標準ボディで比較(参考:トヨタ公式)
※実燃費はH200系ハイエースバン全体で比較(参考:みんカラ 2024/04/05閲覧)
▼ミニクーパーのディーゼルとガソリンの燃費
ミニクーパーの燃費 | カタログ燃費 | 実燃費(口コミによる) |
ディーゼル | 24.2 km/L | 16.74 km/L |
---|---|---|
ガソリン | 18.0 km/L | 11.48 km/L |
※カタログ燃費はミニクーパー、3ドアで比較(参考:ミニ公式)
※実燃費はF55/F56型ミニ全体で比較(参考:みんカラ 2024/04/05閲覧)
以上のように、同一車種のディーゼルモデルとガソリンモデルを比較すると、ディーゼルの方が燃費性能に優れていることがわかります。
【燃料の価格】
これらは、税率が大きく異なり、一般的に軽油の方が1Lあたり20円から30円安く販売されています。
例えば、2023年12月15日時点での1Lあたりの全国平均単価は、以下の通りで、21.6円の差があることがわかります。
軽油 | レギュラーガソリン | 差 | |
1Lあたり の単価 |
149.5円 | 171.1円 | 21.6円 |
---|
すなわち、同じ量の燃料を消費して走行した際に、ディーゼル車のほうが燃料代は抑えることができます。
以上の内容をもとに、先にあげた3台の車種が、10,000km走るのに必要な燃料代を割り出してみましょう。
車種 | ディーゼル | ガソリン | 差 |
マツダ3 | 85,090円 | 127,040円 | 41,950円 |
---|---|---|---|
ハイエース | 154,890円 | 215,910円 | 61,020円 |
ミニクーパー | 89,160円 | 151,040円 | 61,880円 |
※ガソリン車については、メーカーの指定通りマツダ3、ハイエースはレギュラー、ミニクーパーはハイオクで計算
※燃料の単価は、2023/12/15時点での日本全国平均価格で計算(参考:gogogs)
※10,000kmは、乗用車の1年間あたりの走行距離の目安とされている
※10円以下は四捨五入
このように、ディーゼル車とガソリン車では、年間あたりおよそ4〜6万円の燃料代の差が見込まれることになります。
もちろん、より長い距離を走るユーザーにとっては、この差はもっと開いていきます。そのため、特に自動車のヘビーユーザーには、ディーゼル車を選ぶことは金銭面で大きな強みになります。
車両価格:ガソリン車の方が安い
ディーゼル車の車両本体価格が、車のグレードに対して割高に感じられることもあるでしょう。
同じ車種のガソリン仕様とディーゼル仕様を比較すると、ほとんどの場合においてディーゼル仕様の方が車両本体の価格が高くなります。
先ほど取り上げた3台を取り上げて、実例を見てみましょう。
車種 | ディーゼル | ガソリン | 差 |
マツダ3 | 2,868,800円 | 2,288,000円 | 580,800円 |
---|---|---|---|
ハイエース | 3,274,600円 | 2,439,500円 | 835,100円 |
ミニクーパー | 3,870,000円 | 3,740,000円 | 130,000円 |
※参考:マツダ公式、トヨタ公式、ミニ公式
※可能な限りエンジン以外の仕様が同じグレード同士の比較
以上のように、およそ10~60万円ほどの価格差で、ガソリン車の方が安くなっています。
これには、前述した耐久性が関係しています。
頑丈なエンジンを作ろうとすると、それだけ多くの金属などの原材料を使用するからです。
また、後から説明するように、ディーゼルエンジンには、ガソリンエンジンにはない排ガスの浄化システムが多数装備されており、その分のコストも余分にかかります。
以上のような理由により、ディーゼル車は総じて本体の価格が高い傾向にあり、車両価格という点ではガソリン車に分があります。
メンテナンス性:ガソリン車の方が手間いらず
ディーゼルエンジンとガソリンエンジンは、必要なメンテナンスも大きく違います。
ほとんどの車種では、ディーゼルエンジンの方が、必要とされるメンテナンスは多く、ガソリンエンジンより手間と費用がかかります。
後ほど詳しく説明しますが、ガソリン車になく、ディーゼル車に特有のメンテナンスとしては主に以下の4つが挙げられます。
- アドブルー補充
- DPF洗浄
- カーボン除去
- 燃料フィルターの水抜き
このように、ディーゼルエンジンはより繊細なメンテナンスを必要とします。
ディーゼルエンジンは、かつて排ガスの環境負荷がガソリンエンジンに比べて大きいことが重大な課題でした。
そのため、世界的に排ガスに対する規制がどんどん強まる中で、排ガスの浄化システムが装備された環境負荷の小さいディーゼルエンジンが開発され、身近な乗用車にも搭載されるようになりました。
この排ガスの浄化システムに用いられているのが、上記のDPFやアドブルーです。
このような環境にやさしいディーゼルエンジンは「クリーンディーゼル」と呼ばれます。
クリーンディーゼルは、排ガスの汚さというディーゼルエンジンのデメリットを克服した代わりに、上記のような排ガスの浄化装置にかかわるメンテナンスが必要になるのです。
具体的な方法、費用の相場、お得にメンテナンスする方法などは次章で詳しく説明するのでぜひチェックしてください。
税金:両者あまり変わらない
ディーゼル車とガソリン車を比較する際に、税制も重要な着目ポイントでしょう。
ディーゼル車は税金が安いというウワサも聞いたことがあるかもしれません。
たしかにディーゼル車が税制面で有利であった側面もありましたが、2024年からは制度が大きく変わり、ディーゼル車とガソリン車で、際立った税制面のメリットとデメリットはなくなったと言えます。
ここでは、その内容について、国土交通省の情報をもとに詳しく解説していきます。
自動車の車両本体にかかる税金は、消費税を除くと、以下の3つがあります。
- 自動車税(環境性能割):自動車の購入時に支払う
- 自動車税(種別割):毎年5月に支払う
- 自動車重量税:車検ごとに支払う
自動車税(環境性能割)は、新車・中古車を問わず自動車の購入時に支払う税金で、その名の通り、その自動車の環境性能によって割引されます。
2023年末までは、ディーゼル車はガソリン車に比べ自動車税(環境性能割)が減額される制度でしたが、2024年以降は、ガソリン車とほぼ同じ基準で課税されることになりました。
自動車税(種別割)は、自動車の所有者が毎年5月に支払う税金で、排気量などによって税額が決まります。
こちらは、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンは同じ基準で課税されるため、税制に大きな違いはありません。
ただし、自動車税(種別割)は、古い自動車の重課税(税金の増額)については、ガソリン車とディーゼル車で異なる基準を設けています。
ガソリン車の場合新規登録から13年が経過するタイミングで重課税が始まるのに対して、ディーゼル車の場合11年経過と、より早いタイミングで重課税となります。
いずれも15%程度の重課税になります。
自動車重量税は、車検ごとに、次回の車検までの期間分を納める必要があります。
こちらについても、クリーンディーゼル車には免税や大幅な減税など、かなり有利な措置がとられていましたが、2023年末をもって廃止され、ガソリン車とほぼ同様の基準になりました。
このように、上記の3種の税金について、ディーゼル車が有利というのは2023年までの話になってしまいました。
依然、車種によってはディーゼルとガソリンで、支払う税額が異なる場合もありますが、購入時に考慮しなければならないほど大きな差ではありません。
これまで紹介した他の比較項目を参考に検討することがおすすめです。
ここまで、ディーゼルエンジンとガソリンエンジンの特徴を比較してきました。
これらを踏まえて、それぞれのエンジンがどんな人に向いているか確認してみましょう。
▼ディーゼル車はこんな方におすすめ
- 普段使いで圧倒的なパワー感を感じたい人
- 重い荷物や、大人数を運ぶことが多い人
- 燃料代を抑えたい人
▼こんな方はディーゼル車を選ぶかよく考えよう
- 車にかかるトータルコストを安く抑えたい人
- メンテナンスに手間をかけたくない人
ディーゼルエンジンの出力特性は、ガソリンエンジンでは感じられないパワフルなものです。
この特性を感じながら気持ちよく走りたいという方や、重い荷物、大人数をゆとりを持って運びたいという人には、ただちにディーゼルエンジンを選ぶことをおすすめします。
たとえ車両価格やメンテナンス費が高くても、それ以上にディーゼルエンジンの価値を感じられ、いい買い物ができたと思えるでしょう。
一方で、パワフルさにこだわりがあまりなく、むしろお金の面でお得にしたいという理由でディーゼル車を検討している方は、要注意です。
確かに燃料代はかなり安くなりますが、そもそも車体価格が高いため、燃料代の安さで元を取る前に寿命を迎えてしまい、トータルコストが高くついてしまうかもしれません。
また、メンテナンスコストは走行距離の長さに応じてかかります。
そのため、ディーゼルとガソリンの選択で安さを重視する場合は、以下の項目を考慮して、各ケースに応じた損益計算が必要になります。
- 車両本体価格
- 燃料代(平均の実燃費×年間の予想走行距離×予想保有年数)
- メンテナンス費用
以上のように、ディーゼル車を買うべきかどうかは、パワフルさという心で感じる側面と、金銭的な損得という頭で考える側面の両面から検討すると、より良い車選びができます。
ディーゼルエンジンを長持ちさせる5つのコツ
前章で、ディーゼルエンジンの特徴としてメンテナンスに手間がかかるということを取り上げました。
しかし、このメンテナンスを怠らないことこそが、ディーゼルエンジンを長持ちさせるための何よりのコツです。
ここでは、ディーゼルエンジンを長持ちさせるために必要な5つのメンテナンスについて解説します。
- アドブルーを補充する
- DPFを交換・洗浄する
- こまめにオイルを交換する
- カーボン除去
- 燃料フィルターの水抜き
それでは、1つずつ解説していきます。
アドブルーを補充する
多くのクリーンディーゼル車は、アドブルーを定期的に補充する必要があります。
アドブルーとは、排ガスの環境負荷を抑えるためのシステムである「尿素SCRシステム」を搭載したディーゼル車に必要な液体です。
尿素SCRシステムは、ディーゼルエンジンが排出する有害ガスNOx(窒素酸化物)を浄化しており、システムを作動させるためにアドブルーが消費されます。
アドブルーの残量が少なくなると、車両が自動的にメーター類の表示で知らせてくれるので、それに合わせてアドブルーを補充しましょう。
車種にもよりますが、平均的には、1,000km走るごとに1L程度の消費率であり、5,000km走行するごとに5Lを補充するのが一般的です。
後述するオイル交換のサイクルと近いため、アドブルーはオイル交換と同時に補充するのがおすすめです。
ただし、マツダのクリーンディーゼル搭載車などの一部の車種は、尿素SCRシステムを装備することなく充分な環境性能を実現しているため、アドブルーは不要です。
アドブルーが必要かどうかについては、ディーゼル車購入の際によく確認して、必要であれば補充を忘れないようにしましょう。
アドブルーを補充する方法と5L補充した場合の費用の相場は次の通りです。
補充する方法 | 費用の相場 |
ガソリンスタンド | 500円〜1,000円 |
---|---|
ディーラー カー用品店 整備工場など |
2,000円〜3,000円 |
DIY | およそ1,000円 |
アドブルーは一部のガソリンスタンドで補充できます。
有人のスタンドの場合は、スタッフにアドブルーを補充したい旨を伝えます。
セルフスタンドの場合は、燃料の給油と全く同じように給油レーンの端末を操作して、画面の指示に従って補充するだけでOKです。
給油のついでに給油とほぼ同じように行える上、費用が安く抑えられるため、おすすめです。
ディーラー、カー用品店、整備工場などでアドブルーを補充する場合は、店舗に行き、店員さんにアドブルーを補充したい旨を伝えるだけで構いません。
アドブルー本体の価格に加え、工賃が必要になる場合もありますが、それでも総額3,000円程度で補充できる場合が多いようです。
オイル交換などをこれらのお店で行っている方は、オイル交換と同時に依頼しておけば安心です。
また、カー用品店などでアドブルーを購入し、車体のアドブルー補充口から自分で補充するというやり方もあります。
価格の相場は、10Lで2000円程度が標準的です。
ガソリンスタンドで補充する場合に比べて手間と費用がかかる上、アドブルーの品質という観点からも、強くおすすめできるやり方とは言えません。
DPFを交換・洗浄する
多くのクリーンディーゼル車に必要なメンテナンスとして、DPFの洗浄・交換も挙げられます。
DPFとは、ディーゼル微粒子フィルター(Diesel Particulate Filter)の略であり、その名の通り、ディーゼルエンジンの燃焼によって生じた有害な粒子、黒煙や煤を除去するためのフィルターです。
メーカーによってはDPD、DPRという呼称も用いられます。
たいていクリーンディーゼル車のマフラー内に装備されています。
このフィルターは、微粒子を捕集するにつれて目詰まりを起こすため、「再生」「洗浄」「交換」のいずれかを行って目詰まりを解消する必要があります。
「再生」とは、捕集した微粒子がある程度フィルターに溜まってきた時に、それを高温で焼き切ることです。
多くのディーゼル車が、エンジンが高温になった際にその熱を利用して自動的にDPF再生を行います。
DPF再生のサイクルが早くなってくると、再生では除去しきれない汚れが蓄積してきたサインです。
その場合、DPFそのものを「洗浄」するか、「交換」しなければなりません。
これらは、ディーラーや整備工場に依頼しなければならない、大掛かりで費用や時間もかかるメンテナンスです。
メーカーの公式のスタンスとしては、再生では燃焼しきれないほどの煤などが溜まり、寿命を迎えたタイミングでDPFを新品に交換をするのが基本です。
ディーラーでのDPF交換は、新品への交換であるという点で安心感はありますが、費用が非常に高額で、車種によりますが1回の交換で10万円〜50万円程度かかるのが相場です。
そこで、ディーラー以外の業者が提供する、DPF洗浄を利用するという手もあります。
DPF洗浄は、車体からDPFを取り外して切断し、内部に溜まった煤などの堆積物を全て綺麗に洗浄し、再溶接して車体に戻すというものです。
実質的に新品交換とほぼ同等のクオリティを低価格で実現することができます。
相場は、新品交換の半分程度で、乗用車の場合は5〜6万円程度でできる場合が多いです。
ただ、メーカー公式のサービスではないため、腕のある、信頼できる業者に依頼することが重要となります。
DPFの寿命は、後述する乗り方によって大きく変わりますが、どの場合も、DPFが寿命を迎えると、メーター内のサインで知らせてくれることがほとんどです。
その場合は、DPFの交換時期が来たというサインなので、洗浄か交換をしましょう。
また、一部の車種は、ディーゼル車でありながらDPFを搭載していないものもあります。その場合はもちろんDPFのメンテナンスは不要です。
購入検討時にしっかり確認しておきましょう。
こまめにオイルを交換する
ディーゼル車は、ガソリン車よりこまめなオイル交換を必要とします。
ディーゼルエンジンは、構造上ガソリンエンジンよりオイルが汚れやすいためです。
ガソリン車が7,500km〜15,000kmまたは、6ヶ月〜1年が一般的なオイル交換サイクルであるのに対して、ディーゼル車は、そのおよそ半分である3,000km〜5,000kmまたは3ヶ月〜6ヶ月での交換となります。
こまめなオイル管理によって、ディーゼルエンジンの寿命を伸ばすことができます。
カーボン除去
前述のとおり、ディーゼルエンジンは燃焼に伴って多くの黒煙や煤を生じます。
発生した煤はマフラー内にあるDPF(フィルター)に辿り着く前に、エンジンオイルと混ざって固形になり、エンジン内部や吸気側にも蓄積していきます。
基本的にはそれを前提とした設計がされているので、カーボン蓄積を気にしすぎる必要はありません。
しかし、10万kmを超える過走行車である場合や、エンジンに高負荷な運転を続けると、限度を超えることもあります。
この場合、蓄積した煤を放置すると、燃費や出力の大幅な低下、さらにはエンジンの故障など、重大なエンジンの不調を引き起こします。
この場合、エンジンを分解して煤を取り除く必要があります。
費用は、どの程度まで分解し施工するかによって異なりますが、簡易的なものだと1万円程度から、徹底した施工で10万円程度となります。
標準的な施工内容だと6~7万円が相場です。
カーボン除去は、他のメンテナンスほど必須とされるものではありませんが、ディーゼルエンジンの寿命を伸ばし、より長く乗り続けるための一つの選択肢と考えられるでしょう。
燃料フィルターの水抜き
ディーゼルエンジンは、燃料フィルターの水抜きメンテナンスも必要です。
燃料フィルターは、燃料タンク内の異物や水分を除去するためのフィルターです。
燃料タンク内の空気が寒暖差で冷やされると、水分となって燃料に混ざることがあります。
特にディーゼルエンジンは、構造上燃料に水分が混入することが望ましくないため、大型の燃料フィルターが搭載され、除去された水分がフィルター下部に溜まっていくようになっています。
この溜まった水分を抜く作業が必要になります。
ディーラーでの作業の場合、工賃は3,000円から4,000円が相場となっています。
一方、車種によっては簡単な作業であるため、DIYで0円でもできるメンテナンスです。
ただし、水抜き作業にともなってECU(エンジンを制御するコンピュータ)のリセット作業が必要な車種もあるので、購入時によく確認しましょう。
以上のように、ディーゼルエンジンは特有のメンテナンスを必要としますが、それさえきっちり行えば、長い間に渡ってパワフルで低燃費かつ、クリーンな走りを楽しめる優れたエンジンです。
また、中古でディーゼル車の購入を検討するときには、以上のようなメンテナンスがしっかりと実施されている記録の残った車両を購入するように心がけることで、中古ディーゼル車の弱みである、コンディンションによって寿命が大きく異なるという点を克服しやすくなります。
これからディーゼル車の購入を考えている方も、現在お持ちのディーゼル車の処遇に頭を悩ませている方も、ぜひ参考にしてみてください。
車をお得に手放すなら廃車買取がおすすめ
この記事では、ディーゼルエンジンの寿命や、長持ちさせる方法について解説しました。
もしこれから、ディーゼル車に乗り換えることを検討するのであれば、今お持ちの車をどうするかも考えなければなりません。
ディーラーで下取りに出したり、中古車販売店に売却するなどの方法もありますが、長く乗っていた自動車の場合は思うように値段がつかないこともしばしば。
また、事故や故障を理由に乗り換えを検討している場合は、「お金を払って廃車にするしかない」と思われるかもしれません。
しかし、実は古い自動車や廃車も、専門の買取業車であれば買取金額がつきます。
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