「マフラーから出る白煙の原因は?」
「応急処置の方法が知りたい」
「修理するといくらかかるのかな?」
このようなことで悩んでいませんか?
車のマフラーから白煙が出ると、どこか故障したのでは?と不安になりますよね。
白煙には異常がないものと、エンジン内部に支障をきたしているものの2種類があります。
そこで今回は
- マフラーから出る白煙とはなにか
- 危険な白煙が出る原因と応急処置の方法
- 修理費用や業者選びのポイント
について解説します。
この記事を読むと、マフラーから出る白煙の原因と対処法がわかります。修理費用や業者の選び方も解説するので、車の状況にあわせた対応がとれますよ。
異臭をともなうマフラーからの白煙は、エンジンが故障している可能性があります。
取り返しのつかないことになる前に、早めに修理を依頼しましょう。
車のマフラーから出る白煙の正体は何?
車のマフラーからはなぜ白煙が出るのでしょうか?
白煙の正体には、次の2種類が考えられます。
- 水蒸気
- 煙
結論からいうと、水蒸気の場合はエンジンに異常はありませんが、煙の場合は注意が必要です。
どういうことなのか、くわしく解説します。
水蒸気の場合
マフラーから出る白煙が水蒸気の場合は、エンジンに異常はなく、むしろ調子がいい証拠です。
水蒸気の発生は、気温が低い日にエンジンを始動するとよく見られます。
これはガソリンが燃えるときに発生する水蒸気が外の冷たい空気にふれ、湯気になり白く見えるため、マフラーから白煙が出ているように見えるのです。
マフラーから出てすぐ消えるのが特徴で、エンジンが暖気したあとは発生しません。
臭いも排気ガスと変わらないので、水蒸気が発生しても走行には問題ないでしょう。
煙の場合
逆に煙の場合は注意が必要です。
水蒸気と煙の見分け方は、エンジンが暖気されても白煙が消えない、排気ガスとは明らかにちがう異臭がすることです。
ツンとしたにおいで、かぎ続けると気持ち悪くなるほどの異臭がします。
マフラーから煙が出るケースは、エンジン内部の部品が異常をきたしている可能性が高く、放置してしまうと致命傷になることも。
こうした現象が起こるのは、次に解説する原因が考えられます。
車のマフラーで臭いのある白煙が出る原因
車のマフラーから出る白煙には水蒸気と煙の2種類がありますが、異臭がする白煙が発生する原因にはどのようなものがあるのでしょうか?
マフラーから異臭のする白煙が出る原因は、次の2つの事例が考えられます。
- オイル上がり
- オイル下がり
どちらもエンジン内部の部品が故障して起こるトラブルです。
それでは、くわしく解説していきます。
オイル上がりとは
オイル上がりとは、エンジンオイルが下(ピストンやシリンダー)から上(燃焼室)へと侵入する現象のことです。
これにはピストンについている「ピストンリング」という部品の劣化が考えられます。
ピストンリングとは、燃焼室内から燃焼ガスが漏れないように気密性を保ったり、潤滑油であるエンジンオイルの量を調節して焼きつきを防いだりする役割があります。
オイル上がりが発生すると、混合気とともにエンジンオイルが燃えてしまい、エンジン始動時や高速回転時に白煙や異臭が発生する原因になることも。
それだけではなく、エンジンオイルが燃焼室で燃え続けてしまうのでエンジンオイルの量が減り、チェックランプの点灯や最悪の場合オーバーヒートの可能性もゼロではありません。
オイル上がりからくる白煙の発生は、放置すると非常に危険な症状です。
オイル下がりとは
オイル下がりとは、オイル上がりとは逆に吸気バルブや排気バルブからエンジンオイルが燃焼室に侵入する現象のことです。
オイル下がりの原因は、吸気バルブや排気バルブについている「バルブステムシール」の劣化が考えられます。
バルブステムシールとは、吸気バルブや排気バルブからエンジンオイルが燃焼室に侵入するのを防ぐ部品です。
この部品が劣化して燃焼室内の気密性を保てなくなると、オイル下がりの原因になります。
オイル下がりでは、エンジン始動時に多くの白煙が発生します。オイル上がりに比べると限定的な症状になるので、気づかないまま放置してしまうケースも少なくありません。
しかし、放置する危険性はオイル上がりと同等のものが考えられます。
マフラーから煙が出るときの応急処置
ここまでマフラーから出る白煙の原因で考えられる、オイル上がりやオイル下がりについて解説してきました。
オイル上がりやオイル下がりはこのまま放置してしまうと、致命的な故障につながってしまいます。
では、どのように対処すればいいでしょうか?
まずは、次の3つの応急処置からためしてみましょう。
- エンジンオイルの粘度(硬さ)を変える
- 添加剤を入れる
- エンジンオイルを適正期間で交換する
オイル上がりやオイル下がりは、燃焼室内の気密性を保てずエンジンオイルが混合気とともに燃えてしまいます。
混合気とは、ガソリンと空気を混ぜた霧状のものです。燃焼室内で混合気に着火することにより爆発を起こし、エンジンを動かします。
エンジンオイルの粘度を硬いものに変更することで、各部品の気密性が保ちやすくなり、オイルが燃焼室内に侵入するのを防いでくれる可能性があります。
高粘度のエンジンオイルは低粘度のオイルに比べて燃費が劣るものの、高温時でもエンジンを保護する力が高いのが特徴です。
車種によってメーカーから推奨されている粘度があるので、規定の範囲内で粘度の高いエンジンオイルを選択しましょう。
また、添加剤を利用する方法もあります。
添加剤の中には劣化したバルブステムシールの働きを助け、気密性を保てるようにする作用があるので、ためしてみる価値はあるでしょう。
費用も1,000円〜2,000円ほどのものが多く、それほどお金をかけずに使用できるのもメリットです。
そして、エンジン内部を正常に保つためには、定期的なエンジンオイルの交換が欠かせません。
部品の早期劣化や摩耗を防ぐためにも、5,000㎞または6ヶ月のどちらか早いほうでエンジンオイルを交換するようにしましょう。
年数や走行距離による部品の劣化を完璧に防ぐことはできませんが、エンジンを長く快適に保つためには定期的なエンジンオイルの交換が必須です。
車検のときだけでなく、こまめな確認を心がけてくださいね。
ただし、上記の方法はあくまで応急処置で、原因である部品を交換しない限り解決にはならないことを忘れないでください。
応急処置でも症状がよくならない、一時期はおさまっても頻繁に繰り返す場合は、次に解説する修理を行う必要があります。
修理費用の相場
ここまでマフラーから煙が出る場合の応急処置を解説しました。
しかし、応急処置はあくまでその場しのぎでしかありません。改善が見られないのなら、エンジン内部の部品を交換し、煙が出る原因を取り除く必要があります。
修理費用の相場は症状によって変わり、主に次の3つのケースが考えられます。
- オイル上がりの場合
- オイル下がりの場合
- エンジンを載せ替える場合
それぞれ修理費用の相場はいくらなのか、くわしく解説していきます。
オイル上がりの場合
オイル上がりの場合、修理費用の相場は200,000円〜500,000円です。
考えられる修理方法はピストンリングの交換とエンジンのオーバーホールで、エンジンを車体からおろし内部を分解して修理を行うので費用は高額になります。
故障している箇所が多ければピストンリング以外にも部品を交換する必要があり、エンジン内部がどの程度ダメージを受けているかによって金額は変わります。
かなり大がかりな修理になるので、金額はもちろん作業時間も長期間必要になることも。
部品代や工賃が高額になるだけでなく、修理に時間がかかるのもしかたないでしょう。
オイル下がりの場合
オイル下がりの場合、修理費用の相場は100,000円以上かかります。
考えられる修理方法は、吸排気のバルブステムシールの交換です。
バルブステムシールはエンジン内部に位置しており、エンジンを分解して作業する必要があるので、こちらも高額な修理費用が必要になります。
大半の車種でエンジンをおろす作業は必要ありませんが、大がかりな修理には変わりありません。
部品代はそれほど高くないものの、エンジンを分解する必要があるので工賃はかなり高額になります。
エンジンを載せ替えする場合
エンジンを載せ替える場合の修理費用相場をまとめてみました。
新品のエンジン | 300,000円~500,000円 |
リビルト品 | 200,000円~350,000円 |
中古品 | 200,000円前後 |
※リビルト品とは、中古のエンジンを分解し、使用できるものは洗浄し再利用、消耗品は新品部品へと交換された再利用エンジンです。
エンジン内部の損傷が激しく、オイル上がりやオイル下がりを併発していたり、オーバーヒートを起こしていたりすると、エンジンを載せ替える場合もあります。
エンジンの載せ替えには3つの選択肢があり、新品、リビルト品、中古品とそれぞれ値段がちがいます。
中でも一番多く選択されるのがリビルト品です。
年式の古い車に新品のエンジンはもったいない、とはいえ中古のエンジンでは不安……こうした理由から、リビルト品を選ぶ人がほとんどです。
リビルトエンジンは中古のエンジンとちがい、一度分解されて組み直しテストもされています。
保証がついている場合もあるので、安心感がありますね。
しかし、いくら再生されているとはいえ新品ではありません。不具合が起こる可能性もゼロではないので、メリットとデメリットをよく考えて選択する必要があります。
修理業者選びのポイント
ここまで修理費用について解説してきました。かなり高額な修理費用が必要になることをおわかりいただけたと思います。
高額な修理費用をかけて大がかりな修理をするのなら、きちんと対応してくれる業者に依頼したいですよね。
では、修理業者を選ぶときに、どのようなポイントをチェックすればいいのでしょうか?
修理業者を選ぶときは、次の4つのポイントを意識してみてください。
- オペレーターの対応
- 見積書のわかりやすさ
- 修理までのスピード
- 修理費用
安心して修理を依頼できる業者を選択するために、業者選びは慎重に行いましょう。
それでは、解説します。
オペレーターの対応
まず大切なのは、第一印象です。
あなたは不安な気持ちを抱えて業者に電話をしているはずです。
そんなときに適当な電話対応をされては、いい気持ちはしませんよね。
こちらの気持ちに寄りそいながら、ハキハキと対応してくれる業者を選びましょう。
入庫するまで走行が不安な場合に、なにかしらのアドバイスをもらえると、より安心するはずです。
そんな電話対応をしてくれる業者は、かなり信頼度が高いでしょう。
見積書のわかりやすさ
見積書のわかりやすさ、見やすさも重要です。
見積書には交換部品の名前や、作業内容が書かれています。しかし、専門的な部品名や修理内容を聞いても、いまいちピンこない人がほとんどでしょう。
そんなときに、車の知識がない人にもわかりやすく説明し、補足情報を見積書に記載してくれる業者だと安心できますよね。
また、どの部品やどの作業にいくら必要なのかもきちんと明記してくれる見積書だとわかりやすいです。
予算などを考慮して、いっしょに修理しておいたほうがいい箇所はあるのか、反対に省略できる作業はあるのかなど、車の状況にあわせて丁寧に説明してくれる業者を選びましょう。
修理までのスピード
オペレーターの対応や見積書のわかりやすさも大切ですが、修理までのスピードも視野に入れておきましょう。
オイル上がりやオイル下がりは大がかりな修理が必要になるとはいえ、すぐに取りかかってくれるのか、部品はあるのか、修理期間はどれぐらいかかるのかなども大切です。
頻繁に交換する部品でない場合、交換が必要な部品の入手に時間がかかることも少なくありません。
中には「時間がかかる修理だから」と後回しにする業者もいます。
修理にかかる時間は必ず確認してくださいね。
また、車を修理している間に代車を借りられるのかも聞いておくといいでしょう。
車を長期で預ける必要があるので、その間の移動に困らないよう、代車を用意してくれる業者をおすすめします。
修理料金
同じ修理内容でも、業者によって料金設定はさまざまです。
1時間あたりの工賃がちがったり、使用する部品によって値段が変わったりします。
大がかりな修理なので安ければいいという問題ではありませんが、どの業者も対応がよく決められないといった場合は、修理料金が安い業者を選ぶのも1つの方法です。
大切なのはきちんとした対応や確かな整備技術ですが、悩んだときは修理料金も業者選びのポイントにしてください。
修理費用が高い場合は廃車買取業者に売却も検討
もし、修理料金があまりにも高額になってしまったら、廃車の検討をおすすめします。
エンジンの故障はかなり致命的で、修理してもトラブルが発生する可能性は高いです。
また、年式や走行距離によっては、エンジンを修理しても他の部品が故障してしまうケースも少なくありません。
故障したときに高額な修理費用が必要になるのはエンジンだけではないので、あと何年乗るのか、本当に高いお金を払って修理する価値があるのかを検討しましょう。
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